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2005.09.01

映画「ショコラ」

156昨日のBS2で放映された映画“ショコラ”をみた。この映画は01年のアカデミー賞の5部門にノミネートされた作品として、よく覚えている。いつか見てみたいと思っていたので、BSに登場することを1ヶ月前に知り、楽しみにしていた。

最近、映画を見ないので、ここにでている主演女優や監督の名前は全く知らない。よく覚えているのは耳に心地よいラテンぽいテーマソング。チョコレートショップの話しがどうしてアカデミー賞に取り
上げられるほどのものなのか事前の関心は高い。

観ての感想はというと。。もう久しぶりに秀作を見たという感じ。実にうまく出来
ている。最後はハッピーエンドで終わるのだが、不思議と納得できる終わり方
になっている。四旬節の節食の時期に、見慣れぬ母娘がとあるフランスの村にやっ
てきて、チョコレートショップを開店する。お店の名前はマヤ。

母親ヴィアンヌは薬剤師であった父親が中央アメリカに仕事で行ったとき、恋して
結婚した現地の女性との間にできた子供。古代マヤ人は未精製のココアを聖なる儀
式に使い、カカオ(チョコレート)は欲望を解き放つ力が、また運命を啓示する力が
あると信じていた。このココアを飲んだ父親は、現地の女性チザをフランスに連れて
帰る。だが、長老はチザのことを“さすらい人、北風とともに村から村へと移動して、
古代の薬(カカオ)を売り歩く、決して定住しない、だから妻には相応しくない”と警告
する。はたして、父親がある日目をさますとチザとヴィアンヌは消えていた。

チョコレートが欲望を開放するというのがキーフレーズ。勤勉で自制的な人がまともで、
教会に出てこなかったり、懺悔をしないような人間は変人扱いされる。こんな欲望
を自虐的に押さえ、日々をすごしている人たちが新たに出来たチョコレート店にやって
きて、美味しそうなチョコレートを口にする。店主のヴィアンヌには客の好みが分かる
という特別の能力がある。商売人にはうってつけの資質を持ち合わせている。だから、
少しずつ客が増えていく。夫のドメステイック・バイオレンスにおびえるジョセフィーニ、
娘と断絶して絵の上手い孫坊やにも会わせてもらえない老女アルマンド、未亡人
を好きになる老人。。

チョコレートのとりこになった人たちは古い因習から開放され、生き生きとしてくる。
最後には、厳しい戒律に縛られていた村長までチョコレートを食べ、村の雰囲気が明る
く開放的になっていく。いつも説教の原稿を村長にチェックされていた若い神父が
自分の言葉でする説教が冴えている。“人間の価値とは、何かを禁じることでは
決まらない。何を否定し、拒み、排除するかでもありません。むしろ、何を受け入れ
るかで決まるのでは?何を創造し、誰を歓迎するかで。。。” 

村に北風が吹きだすが、ヴィアンヌはこれまでのように別の土地に行こうとせず、
川辺で知り合ったジプシーの男と結ばれ、娘のアヌークとともにこの村にとどまる。
長く記憶に残りそうないい映画をみた。収録したビデオは早速My映画ビデオコレク
ションに登録。

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コメント

私もショコラは見ました。中々洒落た映画ですね。
美味しいプラリネを食べたような感じです。(笑)

投稿: seedsbook | 2005.09.04 02:34

to seedsbookさん
こんにちは。昔、スイスのジュネーブに1年くらい住み、美味しいチョ
コレートを沢山食べましたので、このチョコレートショップの映画は
興味がありました。はじめは暗ではじまりますが、2時間たった終わ
りのころは村中がチョコレートの効果で明るく、開放的になっていきます。

悲しみや悩みがチョコレートを食べて解消されるなら、いくつでも食べた
いですね。いい映画でした。

投稿: いづつや | 2005.09.04 15:25

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