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2005.09.15

酒井抱一の四季花鳥図巻

315東京国立博物館の平常展の展示が9/13から一部変わったので、上野に足を運んだ。よく平常展を鑑賞するので、毎回420円を払うより3000円のパスポート券を購入したほうが得かなと思い始めている。

平常展の作品はHPで定点チェックしてるのだが、1ヶ月、2ヶ月が過ぎるのが速く、ぼやっとしてると名画を見落とすことがある。今回、その気配があったが、ラッキーにもタイミングよくいい絵に会えた。

注目しているコーナーは2階の水墨画、屏風と襖絵、書画の展開、浮世絵、
そして1階の近代日本画。書画のところに名品が並んでいる。俵屋宗達の“鴛鴦
図”。墨のにじみを利用したたらし込みで描かれた岩の上にいる一羽の鴛鴦が
味わい深い。円山応挙作の虎図もなかなか魅力的。黄色の毛が実に丁寧に
描かれている。

今回のお目当ては酒井抱一が描いた右の“四季花鳥図巻(巻下)”。この絵をみる
のは3度目。巻上には春夏、巻下には秋冬の花鳥を描いている。横に5mくらい
ある。上質の絵具を使っているのか色が鮮やか。花や鳥などは写実をベースに
して装飾的、人工的に再構成し、江戸琳派らしい瀟洒な装飾美の世界をつくって
いる。

右のは冒頭の部分。地上に這う鈴虫の隣にいる鳥はありきたりのポーズをとっ
てない。片足を上げ、頭を後ろに向けているので動きを感じる。そして、どうしても萩の
後にある銀泥による大きな月に目がいく。このあとの場面には啄木鳥や紅葉した蔦、
木の枝に積もった白い雪などが描かれている。特に最後の雪に感動する。
ススキや木の枝にこんもり積もった雪が素晴らしい。歌川広重の雪とは違った洒落た
雪景色である。なお、このコーナーにある作品の展示は10/23まで。

浮世絵のところに喜多川歌麿のいい絵がある。最近、歌麿の名品にめぐり会えて
るが、3枚続の大作、“江ノ島岩屋の釣遊び”も感動の一枚。前景に女性を大き
く描き、中景、遠景になるにつれ人物は小さくなる。遠くの人物は水墨画のように
細かい線だけでそれと分かるように上手に処理している。さらに凝ってるのは、
女性と女性の間のスペースに向こうで舟に乗って釣をする場面が描き込まれて
いる。他の絵師も美人画と風景画を一緒にした絵を描いてるが、背景の遠近感が
浅い。歌麿の凄さがだんだん分かってきた。

ここの所蔵品は質、量とも一級なので、平常展でも来る度に新たな発見や感動が
ある。これはもう止められなくなった。

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コメント

こんばんは.

東博の平常展は気分に応じて見たいテーマで楽しめるので大好きです.

先週土曜日に,パスポートを新しくしました.パスポートは奈良・京都の特別展でも使えます.お得ですよ.

2階の書画は今週から入れ替わったようですね.抱一の四季花鳥図巻も面白そうです.絵で季節を味わうのもイイかもしれません.近いうちに足を運びたいです.

投稿: おけはざま | 2005.09.16 00:28

こんにちは。「国立博物館」で検索してたどり着きました。
東博初心者です。これから通おうと心に決めているので、いつかこんなブログが書けたらいいなと思います。
トラックバックお願いします。

投稿: バージェス動物群 | 2005.09.16 03:43

to おけはざまさん
東博の平常展で追っかけてる作品をちょとずつ消してます。年間を
通すと充実した鑑賞になります。浮世絵は展示が替わる度に出
かけてますが、今は新しい歌麿の絵を観るのが楽しみです。
今回もいいのがありました。たまりません。

投稿: いづつや | 2005.09.16 11:48

to バージェス動物群さん
はじめまして。書き込み、TB有難うございます。東博は日本美
術の宝庫ですから、訪問をいつも楽しみにしてます。これからも
よろしくお願いします。

投稿: いづつや | 2005.09.16 16:20

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受信: 2005.09.16 03:44

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