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2005.09.06

エルミタージュ美術館

161先週の世界美術館紀行にエルミタージュ美術館が登場した。今週も続編がある。ロシアのサンクトペテルブルグにあるこの美術館を訪問することができたのは何事にも替えられない貴重な体験。

世界のトップクラスの美術館として名高いルーブル、プラド、メトロポリタンも立派だが、右のエルミタージュ美術館の豪華な建物にはかなわない。こんな華やかで品のある宮殿のなかにある美術品、絵画がまた凄い。

超一級の宝飾品、工芸、室内装飾、そして、絵画はダヴィンチをはじめとする古典
絵画から近代のマチス、カンディンスキーまで揃っている。ここの作品を実際鑑賞
すると、こんな凄い美術館があったのかと驚嘆する。絵画の質はルーブルと遜色な
いのではなかろうか。後知恵だが、ルーブルをみたら、メトロポリタンやプラドより
先にエルミタージュに行くべきだった。

1999年に訪れたのだが、エルミタージュ美術館が西側に大々的にオープンになっ
たのは1991年のソ連崩壊の後だから、一般の人が気楽にエルミタージュに
行けるようになってまだ10年ちょっとしか経ってない。1991年以前は見たくとも、
行けなかったのが現実だった。だから、館の中では隣の方と共に、こうした美術環境の
なかにいる幸せをかみしめていた。

古典絵画では、ブランド画家の名画のオンパレード。ダヴィンチの“ベヌアのマドンナ”
と“リッタのマドンナ”、ジョルジョーネの“ユーディット”、ティティアーノの“ダナエ”と
“悔悛するマグダラのマリア”、ラファエロの“コレスタビレのマドンナ”。バロック
以降の傑作はカラヴァッジョの“リュートを弾く少年”、ルーベンスの“ペルセウスと
アンドロメダ”、ヴァンダイクの“自画像”、そしてレンブラントの“ダナエ”、“女神
フローラに変装した妻”、“放蕩息子の帰還”。また、ここにはミケランジェロの彫刻、
“うずくまる少年”がある。イタリア以外にある彫刻はブリュージュとここの2点しかない。

中でも一番惹かれたのはカラヴァッジョの“リュートを弾く少年”、ティティアーノの“悔
悛するマグダラのマリア”、レンブラントの“ダナエ”。昔、ミュンヘンでカラヴァッジョの
怖い首の絵をみて、カラヴァッジョの絵は観る者をかなり緊張させるというイメージ
が強かったのだが、この絵の中性的な少年は穏やかにリュートを奏でている。
2,3枚ある同じ画題の作品ではこの絵が頭抜けていい。

ここのレンブラントのコレクションは圧巻。アムステルダム国立美術館に数、質で
ひけをとらない。お陰でレンブラントがだいぶ近くなった。館内には5時間くらいいて、
じっくり見た。でも、またいつか訪れてみたい。

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コメント

エルミタージュに行ったのが1992年で、修復工事ばかりしていて半分も見られず、見る気をなくしてしまったので、よく覚えていません。(苦笑)
知り合いの若いアーティストのアトリエなどに訪ねたのですが、当時はまだ酷かったなあということしか覚えてません。

投稿: seedsbook | 2005.09.06 23:40

いづつやさん、こんばんは。番組を見逃してしまい残念に思っていたところでした。私も一昨年エルミタージュに行き、その所蔵作品の素晴らしさに魅了されました。いづつやさんのおっしゃる通り、特にイタリアルネサンス美術とレンブラント作品の充実ぶりには眼を見張るものがありますね。私も2日に渡って通ってしまいました。
やはり私的にはCARAVAGGIOの「リュート奏者」が主目的でしたが(笑)、いづつやさんと同じで、NYのメトロポリタン美術館の「リュート奏者」よりも目の輝き、口元の色っぽさではエルミタージュ作品の方が素晴らしいと思います。
ちょうど先月、岩手県立美術館で「華やぐ女たち―エルミタージュ美術館展」を観てきましたが、女性肖像画中心ではあるものの、その懐の広さを感じた展覧会でもありました。

投稿: June | 2005.09.07 04:11

to seedsbookさん
92年のエルミタージュ訪問はかなり早いですね。修理工事の
真っ最中だったのはお気の毒です。目の前に建物はあるのに、
中の展示物を見れないのは本当に落ち込みますね。ソ連崩壊の後、
西側の観光客を呼び込もうとして、美術館の大化粧直しをしたので
しょうか。ここの素晴らしい絵画や宝飾品は一生の思い出になりました。
もう一回、行きたいです。

投稿: いづつや | 2005.09.07 16:41

to Juneさん
エルミタージュ美術館に2日も通われたのですか。それは凄い。
昔、NHKが放送した美術館シリーズのエルミタージュをビデオに
収録してたものですから、出発の前、これをみて当日の鑑賞をシミュ
レーションしてました。

次から次と名画が目の前に現れるのでもう興奮状態でした。これは
ここにいないと実感できませんね。絵画ではカラヴァッジョの“リュートを
弾く少年”に感動しました。大きな絵でしたね。また、Juneさんも
見られたと思いますが、カラヴァッジェスキのヘリット・ファン・ホント
ホルストのいい絵がありましたね。

レンブラントも涙がでるくらい傑作が揃ってます。今年、久しぶりに行
ったアムステルダム美術館の所蔵品顔負けのコレクションですね。
周りの人にエルミタージュはいいよと宣伝してます。

投稿: いづつや | 2005.09.07 16:59

はじめまして、こんにちは。
ルーベンスの《ペルセウスとアンドロメダ》繋がりでトラックバックさせていただきました。
エルミタージュは、いつか必ず行ってみたい憧れの美術館です。
名品揃いで素晴らしいですね。
これからも、どうぞ、よろしくお願いいたします。

投稿: snow_drop | 2005.09.15 15:21

to snow dropさん
はじめまして。書き込み、TB有難うございます。エルミタージュ
美術館は期待値の2倍の凄いところでした。絵画はルネサンス、
バロック、印象派、近代まで揃ってるんです。数で多いのがレン
ブラントとマチスです。ルーベンスもいいのがあります。

サンクトペテルブルグの町はヨーロッパそのものです。ツアーだとここ
とモスクワがセットになってますが、感動満載の旅です。是非お出
かけ下さい。これからも宜しくお願いします。

投稿: いづつや | 2005.09.15 17:56

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