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2005.09.28

永青文庫の近代日本画展

176目白の椿山荘の近くに、熊本の細川家が所蔵する美術品を展示する永青文庫がある。

昨年、財団創立55年を記念した名宝展で、絵画、彫刻、工芸の素晴らしいコレクションを見せてもらった。中でも、螺鈿鞍の最高傑作と言われる“時雨螺鈿鞍”(国宝、鎌倉時代)の見事な細工に感激した。

そして、ここは元首相の細川護煕氏のおじいさん、16代細川護立(もりたつ)
が集めた近代日本画の名画が揃っていることでも有名。特に菱田春草、小林古径
では代表作中の代表作がある。春草の“落葉”、“黒き猫”(共に重文)、古径
の“髪”(重文)、“鶴と七面鳥”、“孔雀”。落葉、黒き猫は昨年あった琳派展、古径
の作品は先の大回顧展に出品され、多くの愛好家を楽しませてくれた。

そんな質の高い作品を所蔵する永青い文庫では、昨日から護立と親交のあった
横山大観、鏑木清方、今村紫紅、中村岳陵ら巨匠たちの作品を公開している。
60点あまりが、展示室の関係で前期(9/27~10/23)、後期(10/25~
11/13)に分けて展示される。今回もきっといい絵にめぐり会えると期待に胸をふ
くらませて、館に足を運んだが、予想通りの名品が出ていた。

これらの絵は、パトロンの護立が家で鑑賞するために注文して描かれたのものな
ので、絵としては比較的小ぶり。前期で目を楽しませてくれたのは鏑木清方と
中村岳陵の作品。鏑木のは通期で4点展示される。どれも素晴らしい出来栄え。
特に、小襖に描かれた“海辺”にでてくる3人の娘が愛らしくて、魅了される。
鏑木清方の描く女性はもう特別の存在。

これに劣らずはっとさせられたのが中村岳陵の右の“麻耶夫人”。官能的とさえ
感じる美人画である。これまでの岳陵のイメージがこの作品で変った。これは、大阪
四天王寺の壁画に描かれた絵の一部をとってきた小さな絵。壁画にはお釈迦様
の一代記が描かれており、最初の場面にある釈迦の誕生を見守る麻耶夫人(母親)
らしい。背景の緑、耳・首飾りの黄色が鮮やかなのと切れ長の目に惹きつけられる。
ちょっと女優の岩下志麻の顔に似ている。

噂には聞いていたが、四天王寺の壁画がこんなに魅力的なら、是非とも見たくなった。
そして、前から願ってる中村岳陵の回顧展をどこかの美術館で開催してくれれば
嬉しいのだが。横浜美術館で“砂浜”(拙ブログ8/7)を見てから急にこの画家が近く
なった。回顧展がそう遠くない時期にあることを念じておこう。

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