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2005.09.02

MOAの浮世絵版画名作展

157今年は浮世絵の名品を見る機会が多い。普通の愛好家にとって、浮世絵をふんだんに観れる美術館は限られている。

お気に入りは東博の日本美術ギャラりー、浮世絵コーナーと専門館の太田記念美術館。東博の浮世絵平常展に2年くらい通うとかなり目が肥えてくる。ここは浮世絵の画集に載ってる代表作に出会える格好の場所である。太田記念館は前半、開館25周年記念展で歌川広重の名所江戸百景など館自慢の浮世絵を沢山展示してくれた。

他には千葉市美術館と熱海のMOAにいい作品が集まっている。その期待の
MOAで所蔵浮世絵の名作展がはじまったので、早速クルマを走らせた。
今回は鈴木春信、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重を中心に90点あまりでて
いる。太田記念館や日本橋三越のお陰で広重、北斎の傑作を堪能したので、
鑑賞のエネルギーは春信と歌麿にシフト。

他の絵師で目立ったのは菱川師宣の“大江山物語十二枚揃”と鳥居清長の美人画。
とくに、清長の三枚組の“見立牛若丸浄瑠璃姫”に感動した。いままでみた清長
の美人画では最上位に入る傑作である。十人の女性が着ている衣装のピンクがま
ばゆい。これほどインパクトのあるピンクは見たことがない。

かねがね、MOAには鈴木春信のいい絵があると睨んでいたが、目の前にある6点
をみてそれを確信した。なかでも、右の“源重之(三十六歌仙のうち)”に魅せ
られた。多色刷りの錦絵の魅力を引き出す能力が春信にはある。それは天性の
色彩感覚。二人の娘は生活の匂いがあまり感じられないが、岩を指している少女
の着物の緑と、笠を被ってる娘の衣装の赤の対比が実に巧み。そして、動きをつ
くってる風になびく振袖や裾と波のうねりに目がいく。波は版木に絵具をつけず、
紙を押し付けて、盛り上げる“きめ出し”という特殊な技法で表現している。

喜多川歌麿もいい美人画が揃っている。“婦女人相十品文読美人”、“お藤とお
きた”、“行水”などに心うたれた。こんなに気持ちのいい歌麿をみるのは久しぶり。
狙い通り、春信と歌麿の名品に会えた。MOAの浮世絵コレクションに感謝。
尚、この展覧会は9/11まで。

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