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2005.09.12

奥田小由女の人形

167高島屋で開かれている奥田元宋展で思いもかけぬビッグなオマケがあった。会場には元宋の名画とともに美しい人形が12体飾られている。

最初、これが誰の作品か分からなかった。隣の方は“奥田元宋は人形も作っていたの?”と質問してくる。徐々に状況を理解した。これらは元宋の奥さん、小由女(さゆめ)さん(現在67歳)が制作したもの。生前の元宋に寄り添う夫人の姿は収録ビデオで見たことあるが、有名な
人形作家とはつゆ知らなかった。

どの人形も顔がうっとりするくらい綺麗。そして彩色が柔らかく、衣装の花紋様が
エレガント。最初は木彫りの人形を作っていたが、ひび割れなどで傷んでくるので、
木彫りと同じ効果がでる素材を色々研究し、今は樹脂と胡紛というカキの殻の
粉を膠でといたものを使っているという。

右の“海への誘い”という作品のユニークな形に目を奪われた。珊瑚が二人の人魚
に変ったのだろうか。足を上に伸ばしてる人魚は左手で魚と戯れている。これをみ
ていてルネ・ラリックのガラス作品を連想した。元宋の“奥入瀬 春”が展示し
てあるコーナーに、最新作の大きな人形、“月の別れ”がある。千手観音のよう
な6本の手が蓮の花びらを持ち、着物の裾を上げている。元宋が亡くなった日
の夜は満月で、元宋の体も魂も月に導かれ、迎えられていったのだという思いが
実感され、この作品を作ったのだという。存在感のある造形から作者の気持ちが
そのまま伝わってくる。

出口のところには、元宋が描いた桜と山の絵の屏風のまえに、小由女の制作した
古代中国の母娘の人形がある。典雅な雰囲気に溢れた優品。展示されてる
人形のほとんどが来年4月にオープンする奥田元宋・小由女美術館(広島県三次市)
の所蔵。また、奥田小由女は県立広島病院や広島県女性総合センターのために
人形をつくっている。もっと早く、小由女のことを知っていたら長く住んでいた広島で
作品にめぐり会えたかもしれない。惜しいことをした。これからは、展示の機会
を見逃さないようにしようと思う。

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