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2005.08.17

鏑木清方記念美術館

146鎌倉の小町通りを北に歩いて7分位のところに鏑木清方記念美術館がある。ここでは、美人画の名人と評判をとった日本画家、鏑木清方(かぶらききよかた)の作品を定期的に替えて展示している。

7/29から9/4までは“清方の避暑地の思い出”と銘打ち、夏にちなんだ作品が並んでいる。料金は200円。昨年、横浜に戻ってからここへは美人画に惹かれて、3回訪れた。

そして、今回のお目当ては右の“朝涼(あさすず)”。ちょっと前の迷宮美術館の
日本美術特集でこの絵が紹介され、ここの学芸員は最高傑作と評していた。
最高傑作の絵が出ているなら、見逃すわけにはいかない。モデルは鏑木の長女。
早朝、畑の近くを散歩するところを描いている。長女の着ている着物の薄紫と
草木の緑が朝の空気を見事に捉えている。横のポーズがユニーク。

鏑木清方にはこの絵の2年後の1927年に描いた、“築地明石町”という美人画
の傑作がある。綺麗な女性の立ち姿の絵なのだが、この立ち姿は“朝涼”の
長女を参考にしている。“築地明石町”は“昭和の日本画100選”で1位の横山
大観の“夜桜”についで2位にランクされるほどの名画なのであるが、個人の所蔵で、
なかなか出てこない。近代日本画の代表作をかなりつぶしてきたが、この“築地
明石町”が最後に残っている。ここの記念館に下絵があるためか、愛好家から、
この絵に関してよく質問されると館の人がおっしゃっていた。

最近、鏑木清方のいい絵に恵まれている。MOA美術館の京近美所蔵名品展に
でていた“たけくらべの美登利”、ホテルオークラの“きらめく女性たち”にあった
“七夕”(大倉集古館)、“二人づれ”(ウッドワン美術館)。そして、横浜美術館
コレクション展の“春宵怨”。

これらに加え、これまでみた鏑木清方の名画をあげると。一つは福富コレクション
の“薄雪”。福富太郎氏は浮世絵や鏑木清方の収集家として有名。この“薄雪”は
“二人づれ”と似た絵で、妖艶ぽい女性の顔に魅せられる。流石、福富氏の眼力は
高い。もう一つは東近美にある“墨田河舟遊”。大きな屏風絵の傑作。この絵は
8/30~10/2の平常展にでてくる。

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コメント

いろいろ観に行って居られるのですね。
この記事に書かれた”朝涼”と言う絵はまだ見た事がありませんでした。
これもいい絵ですね。色使いとこのポーズに惹かれます。実物見てみたい。

投稿: seedsbook | 2005.08.18 16:07

to seedsbookさん
鎌倉へはクルマで30分くらいで行けますので、鏑木清方記念
美術館をよく訪問します。今回、お目当ての“朝涼”に会えました。
大きな掛け軸で、いい絵です。この絵はパンフレットの表紙を飾って
ます。

2年後に名作、“築地明石町”を描きますので、この頃、鏑木の画力は極み
に達していたのかもしれません。次のターゲットは、この“築地明石町”
ですが、はたして展覧会にでてくるかどうか?辛抱強く待つことにします。

投稿: いづつや | 2005.08.18 17:40

いづつやさん 私もはるばる行ってきました。
遠くからわざわざ行く価値がありました。
観覧料も200円と安いかわりに、作品も少なかったのですが、「朝涼」が鑑賞できて、大満足です。薄く見える残月。空の色も青ではなくて、緑が新鮮です。そして、少女は清らかさがいっぱいで、薄紫の着物も素敵でした。
美術館のお庭もいい感じですね。今回は近代美術館の展示がそうでもなかったので、行かなかったのですが、いつかセットで再訪でしたいです。

投稿: Yuko | 2005.08.21 21:24

to Yukoさん
最近、Yukoさんは近代日本画に熱心ですね。岩絵具の美しさを愛
する仲間が増え、嬉しい限りです。この“朝涼”はここの学芸員が
自慢するだけのことはありますね。上のほうにある月、横を向いた
清楚な少女、緑の草花。。大きな絵なので、少女が前にいるような
気がします。鏑木清方が描く女性の絵はいつも心にしみます。

今度、葉山の近代美術館に行かれるときは、すぐ近くにある山口蓬春
記念館にも寄られたらどうでしょうか。いい作品があります。

投稿: いづつや | 2005.08.21 23:07

こんばんは
ほぼ一年前の記事にですが、丁度わたしが今日あげたものと合致するかな、ということでTB致します。
『夏の美人画』集めてみました。
web展覧会、よければお楽しみください。

投稿: 遊行七恵 | 2006.08.07 21:44

to 遊行七恵さん
TB有難うございます。“夏の美人画”、とてもいい企画ですね。
My女性画に加えたい作品もありますので、じっくり観させてい
ただきます。

投稿: いづつや | 2006.08.08 17:59

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八月七日に生まれている。 しかも真昼。 暑いのに申し訳ないような気がする。 とりあえず夏の美人画を集めよう。近代日本画メインである。 清方『刺青の女』 この女に出会って、私は清方に奔ったのだ。 なんてい... [続きを読む]

受信: 2006.08.07 21:41

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