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2005.08.26

トレドのグレコ

324NHKの番組、探検ロマン・世界遺産でスペインのトレドが取り上げられた。トレドを訪れたのはもう20年くらい前になるので、記憶がだいぶ薄れている。で、スペインにまた行く機会があれば、トレドを再訪しようと決めている。

トレドの町で一番印象深いのが大聖堂とエル・グレコの絵。ここにはグレコの傑作中の傑作がある。それは右の“聖衣剥奪”と“オルガス伯の埋葬”。中でも“聖衣剥奪”における光輝くキリストの
真紅の衣装が目に焼きついている。

これほど心を揺す振られた赤は他には、ティツィーノが描いた“聖母被昇天”のマリアの衣装くらいしかない。グレコは若い頃、ヴェネツイアでティツィアーノやティントレットから色彩効果や構図を学んでおり、ここでの成果とミケランジェロの人物表現により独自の画風を作り出した。

トレドで観たグレコの絵で忘れられないのがもう一点ある。“改悛する聖ペテロ”。
ペテロの目から今にも涙がこぼれそう。キリストの弟子であることを否認したペテロ
が悔悛して涙を流す場面である。油絵の威力をこれほど感じた絵はない。今、森
アーツセンターギャラリーで開かれているフィリップス・コレクション展にグレコの同名
のいい絵がある。この絵をみてトレドでの感動が蘇った。

エル・グレコ好きを決定的にしたのが1986年、国立西洋美術館で開催された
“エル・グレコ展”。もうだいぶ前の展覧会であるが、大回顧展だった。大原美術館
やプラド美術館他所蔵の“受胎告知”などの名作が目白押しで、会場に入って
から出るまで興奮状態だったのを覚えている。

プラド美術館にも傑作がいくつもあるが、最近では03年、ブタペスト国立美術館で
グレコのいい絵をみた。ここにはプラドについでグレコの作品が多くあるそうだ。そして、
昨年はギリシャ国立美術館でグレコの若い頃の作品に出会った(拙ブログ04/12/
11)。

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コメント

こんにちは。
トレドに行ってグレコの作品を観るまでは
あまり好きな画家ではなかったのですが、
スペイン(特にトレド)で観た作品に感化され
今ではすっかりグレコ好きになってます。

投稿: Tak | 2005.08.28 09:17

to Takさん
トレドにあるエル・グレコの絵は特別ですね。トレドの町はどんなだっ
たか、もう忘れてしまいましたが、グレコの聖衣剥奪などを画集でみ
ますと、現地での感動が蘇ります。次回のスペイン旅行ではトレドと
プラドは外せません。

投稿: いづつや | 2005.08.28 19:33

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