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2005.08.10

ホテルオークラの秘蔵名品展

141ホテルオークラでは今、恒例のアート・コレクション展が開かれている(8/25まで)。今年のテーマは“ヨーロッパと日本、きらめく女性たち”。

昨年はじめてこの展覧会にお目めにかかったのだが、なかでも近代日本画は横山大観、小林古径、安田靫彦、前田青邨、速水御舟の名品がずらっと揃っていた。大倉集古館自慢の名品、大観の“夜桜”、前田青邨の“洞窟の頼朝”などを見たときの感動がいまでも鮮明に蘇る。

今回は国内の美術館から“きらめく女性たち”に相応しい洋画、日本画が集められ
ている。西洋洋画が24点、日本洋画が24点、日本画が25点。海外の画家の
描いたいい女性画が日本の美術館や個人のもとにある。ブーシェの“ラブレター”、
キスリングの“スペインの女”、ピカソの“青い背景の婦人像”(山形美術館)、
モネの“カミーユ夫人”、カシニョールの“徹子像”など。

日本人画家が描いた洋画に対する興味は日本画に比べると低いのだが、藤田嗣治
とか岸田劉生の絵には目がない。藤田のいい絵が5点あった。その一つはひろし
ま美術館所蔵の“裸婦と猫”。そして、追っかけていた岸田劉生の“二人麗子図”
(泉屋博古館分館蔵)に出会った。この作品と03年、ふくやま美術館であった
“岸田劉生・麗子展”により麗子像は済みマークがついた。

この展覧会で一番期待してたのが日本画。美人画では、上村松園、鏑木清方
(かぶらききよかた)、鏑木の弟子、伊東深水が頭抜けている。出品数では伊東深水
が最も多く、6点ある。鏑木3点、上村2点。どの絵も素晴らしい美人画であるが、
お気に入りは伊東深水の“吉野太夫”(山種美術館)、“春宵(東おどり)”、上村
松園の“蛍”(山種美術館)、鏑木清方の右の“七夕”(大倉集古館)、“二人づれ”
(ウッドワン美術館)。もう一点、奥村土牛の“舞妓”(山種)も見逃せない。

伊東深水の“春宵”は“昭和の日本画100選”に選ばれている名画。やっとこの
絵に会えた。楽屋で準備をする色っぽい芸者衆、細かく描かれた鏡や照明など
に目を奪われる。鏑木清方の“七夕”、“二人づれ”に感動した。二人づれは
前に一度みて、惚れ込んだ一枚。白く化粧した綺麗な顔。そして、柄まで細かく
描かれた着物。この絵を超える美人画をまだ見たことがない。

“七夕”(右隻)はかつて展示替えで見れなかった作品。左の盥(たらい)の水に
銀河を映し、その明かりで針の糸を通そうとしているちょっと面長で切れ目の
女性がとても美しい。また、左隻の飾り台に並べられた筝(そう)、五色の糸車
などにも目がいく。最近見た日本画では一番の傑作。

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コメント

いづつやさん、こんばんは。
こちらの記事を拝見して先日見てきました。
ホテルの大広間での企画ということでしたが、
美術館顔負けの名品揃いで驚きました。

伊東深水はとっても良かったです。
また一人日本画の好きな画家が増えました。
6枚もあって見応え十分でしたね。

投稿: はろるど | 2005.08.20 22:51

to はろるどさん
ホテルオークラのアート・コレクション展は昨年、はじめて見ましたが
なかなかのものです。国内の美術館からいい絵を持ってきてます。
今回は伊東深水の作品が多かったですね。美人画にうっとりです。
女優の朝丘雪路をご存知ですか?(俳優の津川雅彦の奥さん)
この人のお父さんが伊東深水なんです。

投稿: いづつや | 2005.08.21 10:09

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