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2005.08.05

MOAの京都日本画名品展

323今、熱海のMOA美術館では京都国立近代美術館が所蔵する近代日本画の名品を展示する特別展を開催している(8/28まで)。

京近美で企画展があったときは必ず平常展も鑑賞するようにしている。東近美にくらべ展示スペースが狭いので、出品数はあまり多くないが、土田麦僊の“大原女”のような近代日本画を代表する傑作に出会うこともある。

日本画を画家が活躍した場所で分けることがある。竹内栖鳳を頭とする京都派
と横山大観など東京の画家たち。京都派のなかで好きな画家は上村松園、
土田麦僊、小野竹喬、堂本印象、福田平八郎、池田遙邨。

今回の大半は京都派の作品。これに横山大観、加山又造、平山郁生、小倉遊亀、川端龍子らの名品がある。会場出口のところで購入した図録は04年12月に改訂された京近美編の“所蔵名品集”。ここに掲載されてる名品のかなりのものが出ている。狙い通り、いい絵が揃っていた。

赤丸がついた作品は。。麦僊の“罰”、一度名古屋で見たが、泣いてる女の子と
その隣で下を向いてる男の子が心に強く残っている。小野竹喬の“村道”、
福田平八郎の“花の習作”もいい。この二人は天性のカラリスト。気持ちをスキット
させてくれる色の配色に驚かされる。

今回一番見たかったのは池田遙邨の“うしろ姿のしぐれてゆくか山頭火”。いつも
参考にしている“昭和の日本画100選”にも載ってる遙邨の代表作。白い穂が
強風でたなびく夕暮れ、眼鏡をかけた漂泊の自由俳人、種田山頭火が一人、風に
飛ばされるように立っている。風が強い分、漂泊のイメージが伝わってくる。

明治の文人画家、富岡鉄斎の傑作、“富士遠望、寒霞渓図”がある。2度目の対面
だが、こんな富士の描き方があったのかと感動する作品。大画面の屏風なので
圧倒される。日本美術院系の画家では加山又造と平山郁生の大作がある。ともに
長く見ていたい名画。

また、女性画の優品が3点ある。右の上村松園の“虹を見る”(部分)、鏑木清方
(かぶらききよかた)の“たけくらべの美登利”、小倉遊亀の“舞妓”。美人画の名手、
鏑木の描く女性は本当に美しい。舞妓の絵では土田麦僊、奥村土牛、速水御舟
を思いつくが、小倉の舞妓はこれらに負けず劣らずの傑作。

上村松園の赤ちゃんを抱いた女性画は2つある。東近美にある“母子”とこの絵。
母子の赤ちゃんは向こうをむいてるのに対して、虹を見るでは横顔になっている。頭の
髪をちょこっと残し、母親と一緒に虹を見ている。松園の描く着物には高い質感がある。
花柄の着物を上品な色と細かい筆使いで描いている。中国画の嬰児とは違う、日本
の愛らしい赤ちゃん、そして綺麗な女性。上村松園の女性画をみるといつも心
がなごむ。

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