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2005.08.11

モロー展

142ギュスターヴ・モローは好きな画家のひとり。代表作の“出現”を見たくてパリのモロー美術館にも足を運んだ。もう10年くらい前のことなので、鑑賞した作品についても記憶が薄れてきている。

だが、このモロー美術館は時折日本に所蔵品を持ってきてくれるので助かる。1995年の国立西洋美術館と今回のBunkamura。また、国立西洋美術館が02年に開催した“ウィンスロップ・コレクション展”にもモローの“出現”や“キマイ
ラ”などのいい絵があった。このときのモローの印象が非常によかったので、この
画家に対する評価が決定的になった。

で、Bunkamuraのモロー展。初日に早速見てきた。案内によると油彩の48点は
通期の展示で、水彩・デッサンは前期、後期に分けてでてくる。当初油彩も半分々
になるのかと心配していたが、日本画の展覧会のようなことはなかった。専門
家ではないので、水彩や下絵のデッサンを全部みる気はない。油彩で十分。

この油彩画をみて、モローの絵の特徴がわかった。ものすごく丁寧に仕上げられ、
これぞ幻想画家の真骨頂という絵があるかと思えば、これまだ未完成じゃない
のと感じる細部や背景がぼやけた絵もある。実はチラシに大きく載っている
代表作“一角獣”を見るのを楽しみにしていたのだが、よくみると濃厚な色をもつ
退廃的な絵のイメージとは異なっていた。色塗りが浅い感じで、オルセーに
ある“オルフェウス”やメトロポリタンの“オィディプスとスフィンクス”と比べると魅力
度は落ちる。

今回でていた作品にはオルフェウスのように感動する絵が残念ながらあまりない。
気に入ったのは“エウロペ”、“ガニュメデス”、右の“旅する詩人”、“出現”、
“ゴルゴタの丘”、“聖セバスティアヌス”。水彩の“ケンタウロスに運ばれる死せる
詩人”が輝いている。“旅する詩人”は色が一番よくでており、詩人の顔が綺麗。
詩人の後ろにいる片足をあげた有翼の馬、ペガサスに存在感がある。

風景をぼかして彩色するのは気にならないが、人物の輪郭、特に顔の部分をぼか
したり、抽象的に描いてあると歴史画、神話画としての魅力がなくなる。ウィンスロッ
プ・コレクションでみたモロー作品の素晴らしさが強く残っているためだろうか、今回は
ちょっと期待はずれだった。なお、展示は10/23まで。

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コメント

こんばんは.

>代表作“一角獣”を見るのを楽しみにしていたのだが、よくみると濃厚な色をもつ
退廃的な絵のイメージとは異なっていた。

うまく言葉に出来ないのですが,ぼくも物足りなさを感じました.チラシの”一角獣”は縮小印刷されているので,より細密なものを期待していたのかもしれません.

ぼくは”出現”が一番楽しめました.カッコイイ絵です.

投稿: おけはざま | 2005.08.16 23:24

to おけはざまさん
一角獣は濃密な絵を期待してたのですが、実際はちょっと色が
さらさらという感じでしたね。下絵の輪郭線が目につきすぎました。
出現は宙に舞うヨハネの首が一度見たら忘れられませんね。
こういう描き方を思いついたモローはやはり凄い画家です。画集に
よるとモロー美術館にはぐっとくるいい絵があるはずですが、
今回は残念ながら来てません。

投稿: いづつや | 2005.08.17 15:42

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