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2005.08.01

ピエロ・デッラ・フランチェスカ

132岩波書店からでている“世界の美術”シリーズの“ピエロ・デッラ・フランチェスカ”(レーヴィン著 04年2月)を最近、読み終えた。

ピエロの絵を見る機会が少ないので、この画家の絵の特徴をつかみきれないでいる。唯一、フィレンツェのウフィツィ美術館にある“フェデリコ・ダ・モンテフェルトの肖像”をピエロの作品として記憶している程度。

画集やこの本のなかに、見てみたい絵がいくつもある。例えば、代表作として
評価の高い、“キリストの鞭打ち”(ウルビーノ、マルケ国立美術館)、“聖十字架
伝説”(アレッツォ、サン・フランチェス聖堂)、“キリストの復活”(サンセポルク
ロ市立美術館)、“キリストの降誕”、“キリストの洗礼”(ロンドンナショナル・ギャ
ラリー)。。

ピエロは数学者としても名高く3冊の本を書いている。構図を作るときは数学者、
幾何学者として客観的な方法をもちい、遠近法で奥行きのある建築物を配置した
り、人物の頭を正面図、側面図などの計測に基づいて描いた。この画家が描く
聖母や人物はふくらみのある彫刻をみるよう。この造形性に一番びっくりする。
そして、使われてる色の数は少ないが、鮮やかな色彩で大気をとらえた。聖母
や女性は感情表現があまりないのに、巧みな色使いにより気品があって優雅。
絵全体でみると、立体感があり、明るく澄み切った絵画空間、これがピエロ絵画
の魅力である。

残念ながら、まだこれを実感してない。が、日本で1点、いい絵をみた。それは
右の“聖ユリアヌス”(サンセポルクロ市立美術館)。01年、国立西洋美術館で
開催された“イタリア・ルネサンス展”にこの絵が出品された。目鼻立ちに整った
ふっくらとした顔、ユリアヌスが着ているマントの赤と背景の緑の対照性に惹き
つけられた。感動度は前にヴァティカン美術館でみたフォルリ作の愛らしい“ヴィ
オロンを弾く天使”と同じくらい。これは1954年、聖堂を改修中に偶然発見さ
れたらしい。

ピエロ・デッラ・フランチェスカが1413年ころ生まれた町、サンセポルクロはフィ
レンツェの南東113kmに位置している。“聖十字架伝説”のあるアレッツォは
その近くにある。この本でピエロの絵の価値を知ったので、代表作を追っかけた
くなった。

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コメント

いずつやさん、

最近のイタリア旅行で観たピエロの画としては、ウルビーノのドゥカーレ宮殿の「キリストの鞭打ち」の他に、ペルージャのウンブリア美術館の「受胎告知」を覚えています。

いずれも非常に幾何学的でちょっと冷たい感じがしました。数学者で、透視図法研究者という彼のバックグラウンドと関係があるのでしょうね。

投稿: とら | 2005.08.08 21:29

to とらさん
キリストの鞭打ちをウルビーノでみられたなんて羨ましいですね。
この絵は前、盗難にあって、いまではガラスケースにはいってると
書いてありました。ピエロの代表作ですね。本だけの印象ですが、
ピエロが描く人物は彫刻的ですね、そして色が鮮やかです。早く、
本場で名画の数々をみたいです。

投稿: いづつや | 2005.08.09 00:14

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