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2005.07.20

イタリア・ピエンツァ

12318日からNHKの“世界遺産・イタリア縦断1200キロ”という番組をみている。世のイタリア好きと同様、ルネサンス美術となるとそわそわする。

1200キロの行程はアマルフィ、ローマ、ピエンツァ、シエナ、サン・ジミニャーノ、、、トリノ、、。これまで訪問したことのある都市はローマとトリノしかないので、はじめて目にふれる町が新鮮に映る。

昨日はトスカーナ地方の丘の上にあるピエンツァという町がでてきた。人口は
3千人と小さな町であるが、ルネサンス時代、最初につくられた理想都市で
ある。ルネサンスの理想都市が右の絵に描かれている。番組でも使われて
いた“理想都市の景観”と名づけられたこの絵は01年、国立西洋美術館で開
催された“イタリア・ルネサンス展”でお目にかかった。

絵にでてくる都市はウルビーノであるが、個性と全体の調和という理念にもと
づいてピエンツァの都市建設がなされた。これを指示したのがシエナ出身の
教皇ピオ2世。絵のように、真正面の奥に教会があり、両側には当時、最先
端の美しいデザインの建築がならんでいる。遠近感を感じる空間である。建物
に囲まれたピオ2世広場では、ドーナツを大きくしたようなチーズを転がす遊
びを町の人がデモンストレーションしていた。解説者の先生はトライしたが2回
失敗して、3度目にやっと目標地点まで転がった。清潔性の人は嫌だろうが、
この競技に使われたチーズは後で皆で食べるそうだ。

ピオ2世は1456年、53歳で教皇になっている。この教皇は暇があれば、ヒュ
ーマニストたちを伴って田舎に行き、牧歌的な楽しみに浸ったという。27歳
ころ宗教界に入り、徐々に頭角を現したのだが、睡眠時間以外の時間を図書
館と料亭と遊郭に平等に配分したと言われている。また、ボッカチオ風の小説
を書き、終生敵の攻撃材料になったらしい。オスマントルコ軍のバルカン進攻
を食い止めようとして、ピオ2世は反イスラム十字軍を布告したが、どの国も
軍勢を送らず、ベネチア共和国が小艦隊を派遣しただけだったので、教皇はこ
れを見たとたん、興奮のあまり死んでしまった。

今日は是非行きたいと思っているシエナが登場する。番組は夜11:15から。

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コメント

いづつや さん

OFF会では、お世話になりました。

NHKの「世界遺産」ピエンツァででてきた「理想都市」は、最近、「ウルビーノのドゥカーレ宮殿」 で観てきたものなので、ビックリしました。私の感想記の一部を張り付けます。
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「理想都市」は一目で分かるユニークな画である。イタリア人ガイドはこの画が4年前に日本に行っていたことを良く覚えていて、その間とても淋しかったとのことであった。この画には人物らしき姿がほとんど描かれていないので、観ていると不安な気持ちになるとの説明であった。

これに対して、私がこれは「中世のデ・キリコじゃないですか」というと、ガイド2人が両方とも賛成してくれた。一見陽気なイタリア人の中に、このような不安遺伝子が引き継がれているのであろうか。(2005.6a)

投稿: とら | 2005.07.21 08:14

to とらさん
オフ会ではバザーリの回廊など面白いお話をして頂き有難うござ
いました。この会のメンバーはみなさん海外にいろいろ行ってられる
ので、ガイドブックに書いてない情報が聞けて助かります。
これからもよろしくお願いします。また。お会いしたいですね。

とらさんのイタリア記、興味深く読まさせてもらいました。ラヴェンナの
モザイク画やアッシジのジョットーなどは見たくてしょうがない所です。
ウルビーノのドゥカーレ宮殿もよさそうですね。次のイタリアは
ローマでベルニーニとカラヴァッジョの追っかけを計画してるのですが、
とらさんが行かれた町も加えたくなりました。

投稿: いづつや | 2005.07.21 18:28

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