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2005.07.06

山種美術館の日本画展

347久しぶりに山種美術館を訪れた。昨年10月にあった速水御舟展で最後に残っていた“名樹散椿”を見たので、この美術館の名画鑑賞は終了したという気分になり、ちょっと足が遠のいていた。

7/2からはじまった“日本画で歌を詠む展”に出かけてみようと思ったのは、宗達、光悦の“新古今集鹿下絵和歌巻断簡”を見たかったから。サンリツ服部美術館の展覧会に出品されてたのと似たタイプ。宗達は鹿をさらさらと描いた感じだが、首を少し曲げた姿には動きがある。鹿が描かれた料紙に光悦が和歌を散らし書きしている。ここにはもう一つ、“四季草花下絵和歌短冊画帖”という名品がある。いつか見てみたい。

近代日本画では奥村土牛、小倉遊亀、速水御舟など錚錚たる画家の作品が
でている。細密画をみるような御舟の“昆虫二題のうち葉陰魔手”にまた会った。
真ん中の蜘蛛がいまにも動き出しそう。また、上村松篁(うえむらしょうこう)の
“千鳥”はとてもすがすがしい絵。岩崎英遠がグランドキャニオンを描いた
“雲のある渓谷”にも魅せられる。この画家の回顧展を待っているが、なかなか
企画してくれない。

山種美術館の所蔵品のなかでは奥村土牛と速水御舟の絵が一番多い。
土牛の絵は40点位もっているのではなかろうか。今回、6点が展示されていた。
そのうち5点ははじめて見る絵。どれも良かった。なかでも心打たれたのが
右の“蓮”。120cm×180cmの大きな絵。奈良・法隆寺近くの蓮田の美しさ
にうたれて写生したという。蓮の葉の中で、ぽっと咲いたような白い花が印象的。
写実から離れ、画家の心象風景を象徴的に描いている。

奥村土牛の作品では“鳴門”と“醍醐”(共に当館蔵)がベスト。渦潮を描いた
“鳴門”には神秘的で厳かな雰囲気があふれている。京都、三宝院前のしだれ
桜をモチーフにした“醍醐”は明るい優雅さに充ちている。日本の春の美しさを
味わせてくれる絵である。ここにある土牛の作品で見てないのがまだまだ
残っている。2ラウンド目の追っかけをまた始めよう。尚、この展覧会は8/21
まで開かれている。

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コメント

いづつやさん、こんばんは。
私も先日この展覧会を見てきました。

速水御舟の昆虫二題、もう一方の作品も是非見てみたいです。
気になりました。
奥村土牛、先日の「鳴門」と合わせて、見応えがありました。
良いなあと思わせます。

ところで山種美術館ですが、
先日少しだけその経緯などを知ったのですが、何とも複雑な過程があったのですね。
あれだけの素晴らしいコレクションを、これからどう公開するか。
一美術館だけの議論ではないと思いますが、なかなか上手く行きそうもありません。(どこか引受先でもあれば…、とも思わせますが。)

投稿: はろるど | 2005.08.02 23:15

to はろるどさん
山種美術館は日本画の名画を沢山もってます。現在の場所は
ちょっと不便なところにありますよね。今は慣れましたが、もっとアクセス
のいいところに移転してくれないかと願ってます。

速水御舟、奥村土牛、小林古径など巨匠たちの作品をもっと頻繁に
みたいですね。秋の“上村松園展”を楽しみにしてます。

投稿: いづつや | 2005.08.03 11:53

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» 「日本画で歌を詠む」 山種美術館 7/30 [はろるど・わーど]
山種美術館(千代田区三番町) 「日本画で歌を詠む -日本の詩情- 」 7/2〜8/21 山種美術館で開催中の「日本画で詩を詠む」展を見てきました。この展覧会は、日本画と詩を並べて鑑賞しながら、様々なイメージを膨らませようとする、「詩と日本画の共演」とでも言えそうな企画です。意外と言葉と絵画を合わせ見ることは難しいのですが、何はともあれ、この美術館の充実したコレクションを見せてくれる機会です。「日本画ファン」にはたまらない展覧会でした。 ... [続きを読む]

受信: 2005.08.02 23:09

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