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2005.07.03

戸栗美術館の鍋島焼展

259渋谷区松涛にある戸栗美術館を訪問するのは2回目。ここで今、鍋島焼名品展を開催している。会期は9/25まで。

ここは年4回所蔵品の企画展を行い、前回は古伊万里の名品を展示していた。過去、鑑賞した陶磁器展でよく戸栗美術館所蔵の作品をみた。なかには重文クラスもあった。

横浜に戻ってきたので、期待をこめて古伊万里展を見たが、展示の磁器は
優品ぞろい。浮世絵の太田記念館のように陶磁器のいい専門美術館が見つか
ったと内心喜んで館を後にした。今回は斬新な意匠が魅力の鍋島焼を見せ
てくれるというので、開催を心待ちにしていた。

2階の展示室には鍋島藩窯で元禄年間頃(1688~1704)に製作された
盛期鍋島の名品が沢山でていた。これまでは岡山市の林原美術館で見た
鍋島焼が一番数が多かったが、ここのコレクションは林原の数倍ある感じ。
鍋島焼の大半は皿。大きさは三寸(9cm)、五寸(15cm)、七寸(20cm)、
尺(30cm)にきっちり区分けし、焼成している。

鍋島の魅力である文様は独創的でモダン。その題材は更紗などの染織品や
小袖の雛形本、絵手本帖などから想を得、身近な草花、野菜や吉祥文などを
皿の上に描いている。これらの高級食器は徳川将軍や幕府の要職への献上、
贈答品として、また鍋島藩の自家用品として使われた。藩は生産全体を
管理し、様式を厳格に適用し、品質の維持につとめた。失敗作はすべて破棄され
たという。磁器の作り方は秘法とされ、まだまだ解明されてない部分も多い。

鍋島が現在でも人気があるのは意匠が斬新な上、色使いが綺麗で、そして完成
された様式美があるからである。目を楽しませてくれた作品の一番は右の
“色絵壽字宝尽文八角皿”。最盛期の作品のなかで屈指の名品とされている。
見込みに壽字、そのまわりを8つの宝珠で囲み、周辺に宝尽くしの文様を散らし
ている。文様はすべて吉祥文であり、献上用の慶祝調度品として特別デザイン
が施されている。宝尽くしには打出の小槌、巾着(きんちゃく)、駒などがみえる。

鍋島焼のデザインをみてるとモダンアートではと錯覚する。どうしてこんなはっと
する意匠が生まれたのか不思議でならない。今回の展覧会で鍋島に一歩近づいた。

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