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2005.07.01

光悦と琳派展

107日本美術のなかでは琳派の作品を鑑賞するのが大きな楽しみになっている。で、琳派に関する展覧会が開催中と聞くとすぐ動きたくなる。

2週間くらい前の日曜美術館でサンリツ服部美術館琳派展が紹介された。この美術館の開館10年を記念し、光悦、宗達、光琳、抱一の作品を展示するという。
ここは昨年、9月に訪れているので展示スペースはわかっている。あまり広く
ない。だから作品の数は期待できない。質はよさそう。奈良の大和文華館から4点
出品されて、HPにその中のひとつ、宗達の描いた“伊勢物語図色紙・六段茶川”
がのっている。また、50年ぶりに展示される光琳の絵もあるという。
それに光悦の“白楽茶碗 銘不二山”(国宝)がまた見れる。

ここまでビッグネームが揃えば、もう出かけるしかない。ちょっと遠いが、
雨の中、クルマを諏訪湖まで走らせた。会場に入ると予想どうり作品は22点と
少ない。最初に光悦が書を、宗達が下絵を描いた“四季草花下絵新古今集
和歌色紙帖”、“鹿下絵新古今集和歌巻断簡”がある。書の達人、光悦の筆と
装飾的な宗達の絵がコラボレーションし、王朝文化の復興をもたらした。

光悦の作った“白楽茶碗 銘不二山”にまた会えた。和物茶碗で国宝は2点しか
ない。不二山はその一つ。白釉がつくる景色が天に聳える富士の姿に
例えられている。すこしずつこの茶碗の見事さがわかってきた。光悦の茶碗は
どれも魅力がある。大和文華館からは光悦がデザインし、蒔絵師につくらせた
“郡鹿蒔絵笛筒”(重文)がでている。螺鈿と鉛、金の装飾が素晴らしい。

目玉の一つである光琳作の“牡丹図”は50年ぶりの展示だという。こういう作品
は勿論個人蔵。この絵は酒井抱一が光琳百回忌に出版した光琳百図のなか
に描き写されており、大きな白の牡丹がしっかりと描かれている。

光琳デザインを継承し、発展させた抱一の右の“紅白梅図屏風”も久し振りの
お目見えらしい。所蔵は当美術館。抱一の紅白梅図ははじめてみた。屏風の材質
がちょっと違う。通常の絵絹と異なる、横糸の太い絹が用いられている。
六曲一双の右隻に白梅、左隻の紅梅を配している。幹や枝は勢いよく一気に
描かれた感じ。幹のこけは緑青のたらし込みで表現している。装飾的で幹の太
い光琳の紅白梅図に比べるとやや線が細いが、繊細で気品のある梅の絵である。

もうひとつ目を楽しませてくれたのは尾形乾山の“色絵夕顔文茶碗”。
一度みてみたいと思っていたが大和文華館の展示ではいつもすれ違い。こんなと
ころでご対面となった。黒楽の素地に白絵の具で夕闇に咲く白い夕顔がどんと
描かれている。葉の緑、夕顔の白、地の黒のとり合わせが絶妙。

作品数は少なかったが、一点一点見ごたえのある展覧会であった。
満足度150%。尚、会期は7/10まで。

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コメント

いづつやさん、ありがとうございました!ご紹介文があまりにお上手過ぎるので、土曜日に何と上諏訪まで行ってしまいましたよ~♪
本当に珠玉の名品の数々にうっとりとしてしまいました。最近、特に茶碗の面白さに目覚めたもので(多分にいづつやさんの影響かもです)、『不二山』は目の喜びでした!つい、調子にのって、翌日は清嘉堂文庫で仁清や楽家代々作品など観てしまいました(笑)。こちらも感想文を書けたら良いな、と思っております。

で、昨日、TBご挨拶のコメントを入れようとしたのですが、3度はじかれてしまいました(涙)。今日は大丈夫でしょうか?

投稿: June | 2005.07.07 01:08

to Juneさん
美術品のなかでいい茶碗や工芸品をもつのが財閥系や新興産業の
経営者の夢だったのでしょうね。光悦の“不二山”はどういう経緯か
知りませんが、今は服部氏の手にあります。10月、日本橋にオープン
する三井記念館は国宝の志野茶碗“卯花墻”(うのはながき)をもってます。

三菱の岩崎家のコレクションを所蔵する静嘉堂文庫には名品、曜変天目
茶碗(国宝)があります。また、細川家の永青文庫にあるお宝、時雨螺鈿鞍
(国宝)も有名です。目の肥えた資産家が子供のような純粋な気持ちで
名品を追っかけるのでしょうね。10/8~12/25に開催される三井記念館の
特別展には、名碗がいくつもでるのでいまから楽しみです。

投稿: いづつや | 2005.07.07 17:23

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» 光悦と琳派展 [花耀亭日記]
土曜日、上諏訪にあるサンリツ服部美術館で「光悦と琳派展」を観てきた。 http://www.shinshu-online.ne.jp/museum/sanritsu/sanritu4.htm 展示数は少なかったが珠玉の?と形容したくなる佳作品で構成された展示内容だった。中でも一際オーラを放っていたのが本阿弥光悦・作 国宝『白楽茶碗 銘 不二山』である。最近茶陶の面白さに目覚めた私には、楽と言えば長次郎からの黒楽と、光悦の傑作『熟柿』の赤楽のイメージが... [続きを読む]

受信: 2005.07.05 21:43

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