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2005.07.27

ジャン・コクトー展

128日本橋三越で開催中のジャン・コクトー展をみてきた。ここは図録を買うといつも次回展覧会の招待券をくれるので、最近はずっと得した気分。

チラシに載ってる“横顔”に似たような絵が1993年、名古屋の松坂屋であったコクトー展でも出ていた。コクトーの作品をみたのはこの展覧会しかないので、今回はどんなのが出てくるのかと期待度は高かった。

松坂屋のときは没後30年を記念し300点くらい出たが、この三越展は250点。
家に帰って、出品作をチェックすると、これはというのがいくつか重なっていた。
同じコレクターのものを持ってきたのかもしれない。

コクトーはマルチアーチストである。本業は詩人や小説家なんだろうが、バレエ
や演劇の演出家であり、画家でもある。もっぱら画家としてのコクトーしか縁が
なく、ピカソを思わせる作風をすぐイメージする。今回も“キュビズム風の顔”
、“メルクリウス”、“恋人たち”、“9人の沈黙の婦人”などに惹きつけられた。
パステル画が大半を占めるが、油彩にも輝いている絵があった。前にも見た
“ファヴィーニ夫人とその娘”、“眠る女”。とくに黒を背景に使い、顔も黒くして
いる“眠る女”はハットさせる作品。

会場にはコクトーと親交のあったサティの曲が流れ、映画で用いられたオブジェ
の複製が展示してある。コクトーの展覧会に相応しい展示空間をつくろうという
主催者の意欲が感じられ、好感がもてる。コクトーはピカソと同じく、陶器を制作
している。陶器の形とマッチした“中世の女”、“三つの目”が面白い。また、
ブロンズやブローチなどもある。

一番気に入ったのがタペストリー。中でも、大作の“ユディトとホロフェルネス”と
細長い色面で顔を構成した“二つの顔”に感動した。二度目の右の“ユディトと
ホロフェルネス”は見ごたえ充分。眠りこけてる兵士はデフォルメしてるが、写実
的に描かれてるのに対し、真ん中のユディトの形とユディトに首をとられたホロ
フェルネスはかなり戯画的。リアルで凄みさえ感じるカラヴァッジョの同名の絵
とはカテゴリーの違う絵であるが、不思議な魅力がある。

コクトーの天才ぶりを窺うことの出来る貴重な展覧会であった。なお、この展覧
会は7/31までやっている。

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コメント

はじめまして。
コクトー展について書きましたのでTBさせていただきました。
タピストリー、凄かったですね。
背筋にゾゾっと来るものを感じました。
あの色使いが好きです。

投稿: akaboshi07 | 2005.08.08 18:49

to akaboshi07さん
はじめまして。書き込み、TB有難うございます。コクトーの作品を
見るのは2回目なのですが、タピストリー、絵画、陶器、ブローチの
質の高い作品をみて心うたれました。フランス人の創作力というの
は本当に凄いですね。

投稿: いづつや | 2005.08.09 00:00

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