岡山の白桃
桃を作ってる県ですぐ思いつくのは岡山、福島、山形、山梨。産出量でどこが一番多いのだろうか?ちょっと見当がつかないが、福島県?
岡山の美味しい白桃は今が旬。白桃は一玉、1000円以上する高級果物。これを食べると、普通の甘い桃を食べても物足りない感じになる。それほど岡山の白桃は美味しい。とろけるほどやわらかい果肉で甘さは抜群。はじめて白桃を食べたときは世の中にこんな美味
しい果物があったのかと仰天した。岡山に住んでる人がつくづく羨ましいと思った。
桃に限らず、日本の果樹園農家は品種改良に鋭意工夫し、高品質の果物を
市場に送り出してきた。岡山の白桃なども代々受け継がれてきた技術と
細心の生産管理により育てられたものだ。優秀なモノづくりは産業界だけでなく、
果物づくりでも発揮されている。こうしたきめ細かい管理でつくられた
果物は海外の人にも好評のようだ。例えば、日本で働く台湾の人がお国に
帰るとき、林檎をどっさり買っていくという話を聞いたことがある。
桃の季節になると、昔大学の恩師から聞いた“韓非子”の一説を想い出す。
それは“説難扁”にでてくる話。あるとき、皇帝に大変気に入られた男が
山で桃を見つけた。のどが渇いてた折、一かじりかじったら、水がしたたる
ほど美味しかったので皇帝のところに馳せ参じ、これを献上した。すると皇帝は
“その男ものどが渇いて全部食べたいと思ったところを、私のところへ持って
よこした、実に君思いの立派な男だ”と褒めた。ところが、いったん皇帝の寵愛
を失った男はある日斬罪に処せられる。罪名には、“こともあろうに食いかけの
桃をわしに食わせた、無礼きわまる男”とある。
この話の教訓とは、“自分の意見を上に持っていくときはとても難しい。あるとき
は非常に褒められるが、あるときは同じことによって罰せられるということがある。
このことはよく気をつけておくように”。
桃を題材にした絵を日本画家の作品で探してみたが、右の上村松篁(うえむら
しょうこう)作、“樹下幽禽”があった。1966年、日本芸術院賞を受けた
名作である。枝からこぼれ落ちるほどに実をつけた桃と色鮮やかな熱帯の
鳥が描かれている。
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