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2005.07.05

明代絵画と雪舟展

111日本において中国の絵画を鑑賞する機会はあまりない。いつも見れるのは東京国立博物館の中国館くらいなもの。

で、ここの平常展を定期的にのぞき、宋元、明、清時代に描かれた絵に目を馴らしてきた。いまでは、画家の名前と画風が少しわかってきた。とくに南宋の画家、馬遠(ばえん)、夏珪(かけい)、梁楷(りょうかい)などの山水画には愛着を覚えるようになった。

南宋絵画については、昨年、根津美術館で開かれた大規模な展覧会で
牧谿(もっけい)や玉澗(ぎょっかん)が描いた水墨画の傑作を多数みた。この南宋展
は評判がよく、会期中大勢の美術愛好家が訪れた。ここで今、中国絵画の
第二弾、“明代絵画と雪舟展”が開催されている(8/14まで)。展示スペースが
広くないため、会期を3期に分けて明代画家と雪舟の絵、60点が出品される。
会期を分けるのは、作品の質を保つため展示期間を短くしたいという所有者の意向を
踏まえたものだと思う。とくに個人蔵の場合、展示が短いことが多い。
今回もここには3回くることになりそう。

今回でていた明代の画家で名前を知っているのは、李在(りざい)、呂敬甫
(りょけいほ)だけ。全体をみての興奮度は南宋絵画ほどではないが、構図や色合い
の点で心うたれる作品がいくつかあった。例えば、文正(ぶんせい)作の
“鳴鶴図”(重文)では、空を飛ぶ鶴の異様なかたちと下に描かれた波濤を組み
合わせる構図が素晴らしく、動きのある絵になっている。また、呂敬甫が
描いた草虫画の“瓜虫図”(かちゅうず)がいい。緑の瓜(うり)のまわりには
赤いトンボ、白の蝶々、こおろぎ、蜂がいる。日本画ではこうした草虫画をみた
記憶がない。

1467年、応仁の乱のとき、雪舟は遺明使に随行して中国に渡り、3年間
ここで絵の修行をしている。今回雪舟の絵は10点でている。02年に京都国立
博物館であった雪舟の凄い展覧会を見たので、出品作は既に鑑賞済み。
この展覧会を企画した人は、明代の絵画が雪舟の絵にどういう影響を与えて
いたかを見てもらいたいのだろうが、はっきり言って素人にはわからない。
目の前にある雪舟の水墨画を楽しむので精一杯。

右は気に入ってる“四季山水図巻”(重文、京博蔵)。この絵は毛利家伝来
の“山水長巻”と同じ主題の絵であるが、サイズが小さく、小巻と呼ばれている。
春のころ、白梅の下で語り合う二人の人物が描かれている。岩を皴法
(しゅんぽう)で描き、立体感をつくる一方で、遠山をぼんやりと描き、やわらかさ
を出している。小巻の一部しか見れなかったが、力強い筆致と雪舟独自の
構図に魅了された。

なお1期は7/2~17、2期は7/18~31、3期は8/2~14となっている。
2期、3期にも雪舟の傑作がでてくる。いまから楽しみ。

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『雪村庵』(せっそんあん) そんなに遠いところではないのだけれど、今まで訪れたことがなかったんだ。 雪村周継(せっそんしゅうけい)という禅宗の画僧で、山水・人物・花鳥画を16世紀に描いていたという。 水墨画に興味がある人なら知っているんじゃないかな。 写真は公道から続く雪村庵への入路中程で撮ったもので、 季節柄うっそうとした緑したたる森の中に、ひっそりとした佇まいでボクを迎えてくれた。... [続きを読む]

受信: 2005.07.11 07:13

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