« 北斎と広重展 | トップページ | 鎌倉の北大路魯山人展 »

2005.06.12

片岡球子展

303日本画家の片岡球子(たまこ)は今年1月、満100歳を迎えたという。いつか、車いすで展覧会の会場をまわっておられるのをTVで拝見したことがある。しゃべりも全く変わらず、お元気そのものでだった。

画伯の100歳を記念して、現在、葉山にある神奈川県立近代美術館で大規模な回顧展が開かれている(6/26まで)。富士山、面構シリーズの絵がみたくてこの展覧会を楽しみにしていた。

これまで、回顧展に縁がなかった。院展で面構の作品を2、3点見たことがあるが、
まとまってみるのは今回がはじめて。片岡球子という日本画家はかなり
前に見た“面構 葛飾北斎”(神奈川県立近代美術館、今回、出品)で知った。
この絵を描いたのが女性ということにも驚いたが、北斎の顔を絵のテーマ
にするユニークな発想に圧倒された。凱風快晴(赤富士)の絵の前で北斎が
ポーズをとっている。顔は今まで伝わっている北斎の肖像版画を参考にして描か
れている。この絵は日本画の中では人気が高い。手元にある“昭和の
日本画100選”(1989、朝日新聞社)の作品ベスト20では、“面構 葛飾北斎”は
17位にランクされている。

今回の出品作は全部で80点くらい。お気に入りは火山、富士山シリーズ
と戦国武将、高僧、浮世絵師などの相貌を取り上げた面構シリーズ。
富士山が3点、浅間山が2点ある。力強い筆致で赤や青を大胆に使って仕上げ
た富士山はダイナミックで活気がある。斜めに富士山が描かれたりして、体が
曲がるが、この動きのある構図に逆に魅力を感じてしまう。じっとみているとふと、
棟方志功が描いた富士山を思い出した。

面構シリーズは1966年、最初に手がけた“足利尊氏”をはじめ、37点出ている。
足がとまったのは足利尊氏、豊太閤と黒田如水、葛飾北斎、鈴木春信と平賀源内、
勝川春章、雪舟など。浮世絵師をかいた作品には物語性があり、面白い。写楽が
でてくるが、この謎の絵師の顔をどのようにしてイメージしたのか興味はつきない。

右の絵“葛飾北斎”は1976年の作で、1971年にかいた最初の“面構 北斎”の
別バージョン。北斎のバックにいる白の胴体をくねらした龍は、北斎が晩年、
滞在した長野県小布施にある祭屋台に嵌め込まれた龍の天井絵を参考にしている。
赤富士の北斎に劣らず心に残る作品。

なお、この展覧会はここでの展示が終わると、名古屋市美術館(7/26~8/28)、
茨城県立美術館(9/17~11/3)を巡回する。

|

« 北斎と広重展 | トップページ | 鎌倉の北大路魯山人展 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 片岡球子展:

» 初春 [ままねこ]
明けましておめでとう御座います 2006年の初春です。今年はどんな未来が待って [続きを読む]

受信: 2006.01.01 19:14

« 北斎と広重展 | トップページ | 鎌倉の北大路魯山人展 »