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2005.06.18

東京国立博物館の平常展

97東京国立博物館の平常展を見るため、定期的に上野に足を運んでいる。事前に東博のHPで展示作品をチェックしているのだが、全部は記載されないこともあり、現場でおもわぬ名画に出会うことがある。

今回は420円の料金で随分楽しませてもらった。新装成った日本美術の展示コーナーで重点的にみているのは、2階の国宝室、禅と水墨画、茶の美術、安土桃山・江戸、浮世絵、1階の近代美術。

国宝室には最古のやまと絵屏風の“山水屏風”が飾られている。この屏風は
京都の神護寺で直に見たことがある。緑がきれいな山々を背景に寝殿造り
の建物や山荘に集う貴族たちの光景が情趣豊かに描かれている。

安土桃山のところには狩野山楽の“車争図屏風”がある。平安貴族の間で
は自分たちが乗る牛車の豪華さを競っていたという。この絵は源氏物語、葵の
巻から想を得ており、葵の上一行と六条御息所一行の乱闘シーンを扱っている。
仔細に描かれているが、よくみないとどこで何がおこってるのかわからない。
山楽にもこんな絵があった。

今回は1階の近代美術の部屋に名画がそろっていた。河鍋暁斎(かわなべ
きょうさい)の“地獄極楽図”、速水御舟の“比叡山”、今村紫紅の“熱国之巻”、
前田青邨の“京名所八題”。このなかで、比叡山と地獄極楽図ははじめてみた。

とくに右の地獄極楽図(部分)には驚いた。昨年10月に出版された別冊太陽
の狩野派決定版(平凡社)のなかにこの絵を見つけ、暁斎の絵もまだまだ
知らないのが沢山あるなと感心していたところ。大きな絵である。縦200cm、
横340cm。地獄極楽となってるが、全篇地獄の絵で極楽の場面はでてこない。
画面左上に地蔵菩薩が地獄にいる人を極楽にあげてる場面が極楽を暗示
している。右では罪人が鬼から鏡に映された生前の悪行を詰問されてるところ。
その隣の地獄の番人は罪人を火攻めにしている。

劇画チックにこんな絵を描く河鍋暁斎の想像力には驚くばかりである。
しばらくはこの絵の衝撃から逃れられそうもない。

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» 地獄草紙 [いろは 伊呂波 IROHA]
阿鼻獄 阿鼻叫喚の聲する     阿鼻叫喚焦鼓膜     黄泉邊巖ら燃え落つれ   巨巖炎上陸續落     眼茹で風貫き乳房取り   抉眼被烹乳房曝 地震に杣室根を絶やし   地震忽到潰陋廓                               東京国立博物館 あひけうくわんのこゑするよみへいはほらもえおつれ めゆてかせぬきちふさとりなゐにそまむろねをたやし Agonized Shrieking of the Damned abba Agonized shrieking of the ... [続きを読む]

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