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2005.06.21

静嘉堂文庫の京のやきもの展

100日本および中国の美術品を数多く所蔵している静嘉堂文庫で今、“京のやきもの展”を開催している。

ここには過去、国宝 曜変天目茶碗や宗達の“関屋澪標図屏風”(せきやみをつくし、国宝)をみるため、4、5回行ったことがある。展示のスペースは広くないので、作品の鑑賞には時間があまりかからないが、ひとつひとつ味わい深い作品が多いので、トータルの満足度はいつも高い。

今回の展示は館所蔵の京焼のコレクション。仁清、乾山、楽家、古清水、
清水六兵衛、仁阿弥道八、永楽保全の作品がずらり揃っている。野々村仁清
の作品が7点ある。期待していたのは色絵茶壷。仁清の色絵茶壷は現在
12点くらいあるが、ここにある“色絵吉野山図茶壷”(重文)ははじめてみた。
壷の上三分の一は漆のような黒地、その下に赤、緑、金泥で吉野山に
咲き乱れる桜の花がリズミカルに描かれている。福岡市美術館にある同じ
名前の色絵茶壷と比べると、少し小ぶりで華やかさでは負けるが、上品な
美しさを感じさせる茶壷である。

仁清のなかでは右の“色絵法螺貝香炉”(重文)に魅せられた。過去に
一度見たことがあるが、今回はなぜかすごく心を打たれた。これは石川
県立美術館の“雉香炉”とともに彫塑的な作品の代表作である。型による制作
だが、法螺貝の造形が実物にそっくり。そして、手の込んだ彩色が見事。金地に
緑、赤、青で小さな折れ線を法螺貝の形をした蓋に連続的に描いている。
型作りによる作品では入り口の近くに展示してある“白鷺香炉”も優品。
長い首と口ばしを上に向けたユニークな姿に見入ってしまう。

京都に住んだ貴族が好みそうな雅な感じのする古清水のやきものも目を
楽しませてくれる。最後のコーナーに楽家の名碗がいくつもでている。
長次郎の“黒楽茶碗 紙屋黒”、“黒楽茶碗 銘風折”、三代道入の“赤楽
茶碗 銘ソノハラ”など。

この美術館へたどりつくには坂をすこし上るのでいつも疲れるが、帰るときは
満足感から足どりも軽い。なお、この展覧会は7/31まで行っている。

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