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2005.06.05

アンソール展

86港区白金台にある東京都庭園美術館をはじめて訪れた。ここで今、アンソール展をやっている(6/12まで)。

アンソールという画家の絵に接する機会が少ないので、興味がすごくあったという訳ではないが、01年のカラバッジョ展を開催した庭園美術館であれば、作品の質もある程度は期待できるかなと思い入館した。

また、4月にベルギーに旅行し、いい絵を沢山みたのでベルギーの画家
の作品を集中的にみたいという願いもあった。日本でアンソールの回顧展が
ひらかれるのは20年ぶりという。意外に少ない。

これまでアンソールの絵をみたのは、上野の森美術館がMoMA展を
主催したときの“聖アントニウスの苦難”、Bunkamuraの象徴派展にでた
絵くらい。4月に訪問したベルギー王立美術館ではこの画家の作品に
期待したのだが、展示してあったのは1点、“憤慨した仮面”のみ。
アンソールは1883年(23歳)、この絵ではじめて仮面を描いた。

この展覧会ではアンソール初期の作品から、ジャポニズムの影響で手がけ
た日本の武者絵などの素描、印象派のような風景画、そして髑髏や
仮面が登場する代表作など140点くらい展示してある。アンソールの絵を沢山
所蔵してるアントワープのアントウエルペン王立美術館からいい絵が何枚
もきている。

最後の展示室が圧巻。これぞアンソールという絵が目の前にあらわれ、
興奮した。ここには仮面が展示してある。いくつか心に残った絵のなかで
印象が一番強かったのが右の“仮面と死神”。アンソールは白の色が
好きだったようで、画面の真ん中にいるパントマイムの主人公ピエロは白を
身を纏い、髑髏になっている。また、左端の人物が着ている服の強烈な
赤に目がいく。

2階にあった絵では“首吊り死体を奪い合う骸骨たち”が興味深い。
死体の帰趨をめぐり、二人の骸骨がほうきやモップを手にし、争っている。
絵というよりは漫画に近い。仮面や骸骨がでてくるのだから、普通の
絵画ではない。ドイツの表現主義者、グロスなどもどぎつい、緊張感の
ある絵を描くが、これほどマンガチックではない。

今回の展示でアンソールの画風がよくわかった。仮面の画家に
近づけるいい機会であった。

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コメント

いづつやさん、ご無沙汰しております。
私も先日アンソールを見てきました。

>仮面や骸骨がでてくるのだから、普通の絵画ではない。ドイツの表現主義者、グロスなどもどぎつい、緊張感のある絵を描くが、これほどマンガチックではない

そうですよね。
グロテスクさを強調するほど、造形の滑稽さや色彩の明るさに目が行き、
むしろそうではないようにも思いました。
マンガチックとはまさにその通りだと思います。

あと、近美の小林展と三越の広重と北斎展も見てきました。
また感想を書きましたら拙いですがTBさせていただきます。

投稿: はろるど | 2005.06.11 23:56

to はろるどさん
アンソールは若い頃は評価されず、40何年後に仮面や骸骨の
絵が世間の注目を集めるようになったらしいですね。印象派では
白を赤や黄色などの原色を和らげるのに使いますが、アンソールも
白をうまく配してるので赤や青、緑などが派手な感じになってませんね。

テーマはおどろおどろしいのですが、そのわりに絵の中にはいれる
のはこうした色の使い方があるからでしょう。印象深い展覧会でした。

投稿: いづつや | 2005.06.12 14:08

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