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2005.06.02

尾形乾山

84出光美術館で“茶陶の源流展”が開かれている(6/26まで)。この美術館は陶磁器の名品を所蔵している。なかでも古九谷様式、古唐津のコレクションはトップクラス。

今回は茶陶の源流というタイトルをつけ、新しい解釈により作品を展示している。ここの荒川正明という主任学芸員は陶磁器分野では名の売れた専門家。

桃山時代の信楽、伊賀、備前窯の茶碗、茶入、花生、水差などは古代の
須恵器や猿投窯の陶器が源流であるとし、こうした焼き物をいくつも
展示している。古い陶器にあまり美しさを感じなかったのだが、今回は違った。
一度見たことのある“灰釉秋草文壺”(渥美窯、平安時代後期、国宝)に
施された草花の文様は古の日本の風景をみるよう。また、奈良時代の
猿投窯、“灰釉短頚壺”の丸いフォルムにおおらかであたたかい
ものを感じる。

信楽、伊賀焼の茶陶に中国の影響よりは日本古来の焼き物の流れを
みる一方、志野茶碗や織部にみられる形の歪みの理由を、日本人が
昔からイメージしてきた洲浜、蓬莱山というようなモティーフに求める
面白い仮説を展開している。

洲浜との関連で取り上げられてるのが、尾形乾山が作陶した右の
“銹絵染付金銀彩松波文蓋物”(重文)。この蓋が海に突き出た洲である
洲浜に似てるという。州浜というのは洲が大きくなり、海岸線に曲線的に
出入りのある浜辺のこと。この陶器の隣には洲浜を描いた屏風が飾ってある。
二つをじっとみているとそんな気もしてきた。過去一度これをみたことが
あるが、白泥、金銀で描かれた琳派風の松の形が心にとまり、洲浜と
の関係など知らなかった。乾山のほかに、形が三角形になるほど歪んだ
絵唐津茶碗もでていた。

日本の陶器の源流から桃山、江戸前半までをコンパクトに見れるの
は助かる。二重丸の展覧会だった。

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