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2005.05.30

中国の猫図

82日曜夜11時から放映されるBS2の迷宮美術館を毎週見ている。この番組の売りはひとつのテーマにそって内外の画家が描いた絵を紹介すること。いままで気がつかなかった視点で日本画、浮世絵、洋画の共通項を見せてくれるのが面白い。

昨日のテーマは猫。マネやルノワールが描いた猫や浮世絵師歌川国芳の猫好きを取り上げていた。たしかに、国芳の浮世絵には猫がよく出てくる。

猫の絵には三つくらいタイプがある。一つは狂画。猫にいろいろな動作
をさせてふぐという文字を書かせたり、猫の姿態が影絵で別の形に
見えたりするものなど。二つ目が猫の擬人化。鳥獣戯画の江戸版。
猫のすゞみ、猫の踊り、おぼろ月猫の盛、五十三疋の猫を東海道五十
三次にひっかけて描いたもの。最後は動物画として登場する猫。

日本画に描かれる動物で猫はあまりみない。よく見るのは子犬。
俵屋宗達、尾形光琳の琳派絵師が可愛い犬を描いているし、円山応挙
や長沢芦雪の絵にも子犬がでてくる。江戸時代初期の風俗画のなか
の動物を仔細に追っかけたことがないので、断定的なことはいえないが、
猫がでてきた記憶がない。元来日本にいつごろから猫がいるのか?

中国に猫の絵でいいのがある。右の“蜀葵遊猫図”。描いたのは南宋の
画家、毛益(もうえき)。現在、奈良の大和文華館の所蔵で重要文化財
になっている。根津美術館の南宋絵画展でこの絵をはじめて見たとき
は感動した。右のほうに白い親猫と2匹の子猫、左側にはじゃれあってる
2匹の子猫がいる。親猫の白、上の蜀葵の緑の葉と白、赤の花が実に
鮮やか。

いままで見た猫の絵で印象深いのはこの“蜀葵遊猫図”と藤田嗣治の猫。
来年3月、東京国立近代美術館で藤田嗣治の大規模な回顧展があると
いうから、猫の傑作が沢山みられるかもしれない。

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コメント

いづつや様
千露と申します。Tak様のところから参りました。
東西両方の芸術を詳細に考察しておられてとても感銘を受けました。
私は猫が好きなので、猫を描いた作品の話を楽しく拝見させていただきました。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿: 千露 | 2005.06.02 09:54

to千露さん
はじめまして、書き込み有難うございます。Takさんの掲示板でお名前
は存知上げています。拙文を画像でごまかしてます。お気軽に起こし
頂ければ幸いです。これからも宜しくお願いします。

洋画ではマネとかフジタの絵など猫の絵がありますが、日本画には
猫は出てきません。明治以降の近代日本画には結構猫が描かれ
てます。菱田春草に黒き猫という傑作があります。また、奥田土牛
にもシャム猫など何点かあります。南宋の毛益がかいた猫を
大変気に入ってます。猫の種類は分からないのですが。

投稿: いづつや | 2005.06.02 17:12

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» 猫と絵画 [Windflowers ―猫と美術の日々]
私の人生の友といえば「猫」と「絵画」です。 このふたつをいっしょに楽しめる本が赤瀬川原平「ニャーンズ・コレクション」と 深大寺かおる「キャット・ギャラリー ―猫の贈り物」です。 猫は様々な絵画作品にさりげなく登場しています。 「受胎告知」や「最後の晩餐」などの場面にさえ登場していることがあるのです。 一体画家はどのような意味付けで猫をそのような場面に描きこんだのでしょうか? 古代エジプトでは神とされ、古代ゲルマ... [続きを読む]

受信: 2005.06.02 09:47

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