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2005.05.26

レンブラントのダナエ

79ギリシャ神話にでてくるダナエの話は面白い。ゼウスは得意の変身術をつかって美貌の女性にアプローチするのだが、ダナエに対して使った変身が変わってる。

牡牛や白鳥、雲とは違って雨になるのである。しかも黄金の雨となってダナエに進入する。ギリシャ神話を夢中になって読んでたとき、このゼウスの雨には驚いた。動物だと愛の情事も自然にイメージできるが、雲が手をだす
ようになると普通の頭ではついていけなくなる。さらに、雨となると、雲と同じ
自然現象とはいえ、美女とどのようにして思いを遂げたのか?これを想像するの
は骨が折れる。

アルゴス王のアクリシオスはある時、自分の娘の子によって殺されるという
神託をうける。心乱れた王は娘のダナエに悪い虫がつかないようにと青銅の
部屋を作って、そこにダナエを閉じ込め、老婆に見張らせた。しかし、こんな妨害
なんか物ともしないゼウスは美しいダナエに近づかんと黄金の雨に身を変え、
彼女の上に降り注いで合体する。こうして生まれたのが英雄ペルセウス。

この話は芸術家の想像力を刺激するのか、古来、陶器や絵画の好材料となっ
てきた。右の絵はレンブラントが30歳ころ描いた“ダナエ”。エルミタージュ美術
館でこの絵をみたとき、その大きさ(185cm×203cm)と白い肌のダナエに
感動した。当時のオランダにいた女性をそのままダナエに仕立てているのが、
他の画家たちが手がけたダナエとの大きなちがい。

そして、ティツィアーノなどの絵には黄金の雨が上から降り注いでいるのに、
レンブラントはこれを描いてない。ダナエの左手を前に出させ、今、雨になった
ゼウスが現れた瞬間を表現しているのだろうか。後ろには老婆がこれをみつ
めている。光のあたったダナエは生命感があふれ、存在感がある。エルミター
ジュ美術館にはレンブラントの名画が沢山あるが、このダナエが一番印象深
かった。

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コメント

レンブラントのユピテルは雨ではなく、光で表現されています。エルミタージュはいつ訪れたのですか?ダナエの損傷の跡はありましたか?

投稿: とーわ | 2005.07.03 19:49

to とーわさん
はじめまして。書き込み有難うございます。レンブラントのダナエでは
ユピテルは光で表されていたのですか。雨が降ってないのでどうしたの
かなと思っていました。光には頭がまわりませんでした。

間違いを指摘していただき有難うございます。エルミタージュには
7年くらい前訪れました。この絵はレンブラントのコーナーでは一番心
をうたれた絵です。ダナエの損傷はもしかすると狂人がナイフか何か
で傷つけたという話でしょうか?Myビデオコレクションのなかにでて
きたような覚えがあります。当時は絵全体を放心状態で眺めてました
ので、傷の跡があったかどうかはまったくわかりません。

投稿: いづつや | 2005.07.03 20:07

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» 日記 [株と思索と短歌のサイト]
目覚める。何時かなあ。3時前だとちっとヤバイなあ。 トイレに行く。3時40分か。 [続きを読む]

受信: 2006.10.03 11:58

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