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2005.05.19

土田麦僊の大原女

322村上華岳展を開催している京都国立近代美術館では日本画の平常展コーナーに華岳と行動を共にした画家の作品を飾っている(会期は5/15まで)。

この中に、土田麦僊の“大原女”を見つけた。この絵に接するのは久しぶり。97年、東近美であった土田麦僊展以来である。土田麦僊のほかには小野竹喬の大作“郷土風景”がでている。

この美術館は日本画だけでなく、日本人洋画家の名作も沢山所蔵している。
今回、魅力的な絵が2、3枚あった。そのひとつが香月泰男の“奇術”。
こんなところにシベリアシリーズの一枚があった。また、岸田劉生が描いた
“麗子弾絃図”、“窓外風景”にも魅せられる。

陶芸コーナーには河井寛次郎、浜田庄司、リーチら民芸派陶芸家の名作が
展示されている。3月の河井寛次郎展をみたときも、ここに寄ったが、
いつもながら名品をならべてる。

土田麦僊の女性画をみるといつも清清しい気持ちになる。特に舞妓や大原女
を描かせたらもうこの画家の独壇場。独自の画風をもっている画家は特別
な存在。その絵はみる人の心に一生残る。“大原女”もそんな絵。
この絵は麦僊が1年半のヨーロッパ滞在から帰った後に描かれた作品。
完成に4年費やしたという。今回、あらためてこの名画をじっくり鑑賞し、
いくつかの発見があった。

3人の大原女のまわりにタンポポが咲いている。縦にのびる3本の木が
ちょっと幻想的な感じ。画面の大半を占める緑をみていると、密林の虎と人間を
描いたルソーの絵を思い出す。その一方で、大原女の背景にある家や
遠景の山、そして雲には日本的な情緒が漂っている。日本的な絵であり、
西洋画の匂いもする。縦、横2.1mの大きな絵なので見ごたえがある。

麦僊は大原女という題名の絵を12年前にもう一枚描いている(山種美術館所蔵)。
4曲一双のこの絵には西洋画の画法は見られない。2枚の絵を見比べて
みると、欧州から帰って西洋の美術を日本画に吸収しようとあれこれ
模索し、仕上げるのに長い時間がかかった今回展示の作品のほうが完成度は
高いように思われる。この絵にお目にかかれるとは予想もしていなかっ
たので、嬉しさもひとしおであった。

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