« 大リーグ開幕1ヶ月 | トップページ | 歌川広重の肉筆画 »

2005.05.07

円山応挙の藤花図

65青山にある根津美術館では明日まで“唐絵の屏風展”をやっている。根津美術館は東京国立博物館、五島、出光美術館などと共に日本画の名品を所蔵している。

昨年は南宋絵画展を開催し、多くの愛好家が押し寄せた。出展数はスペースの関係で沢山はないが、作品の質が高いので、どうしても定期的に訪問したくなる。

今回は日本の絵師たちが中国の画題で描いた屏風絵を中心に展示している。
六曲一双の屏風が10点ある。ビッグネームとしては、雪村が2点、伝狩野元
信が2点、狩野探幽が1点。ひとつ〃がどこの展覧会にだしても目玉になる
一品である。雪村の“龍虎図”は迫力一杯。粗い墨法で雲をよぶ龍の躍動感
とじっと身構える虎を左右の屏風に描いている。

伝狩野元信の“養蚕機織図”は四季山水図として構成され、春と冬に行なわ
れる養蚕、機織の作業が細密に表現されている。元信は構図のとり方がうま
い。細部をキッチリ描き込みながら、遠景の雄大な山々、岩は余白を充分に
とり、さらっと仕上げている。東博の平常展で元信の作品をみることが最近多
いので、この絵師の画風が分るようになった。探幽の“両帝図”も見ごたえが
ある。

唐絵の屏風の他に見逃せない絵が2点でている。常設コーナーにある円山
応挙の“藤花図”と長澤芦雪の“赤壁図”。赤壁図ははじめてだが、藤花図は
ここで一度観た。師匠と弟子の作品が一緒に並んでいる。

右の藤花図は応挙44歳のときの作品。金地の背景に描かれた藤の紫が鮮や
か。写生を徹底してやった応挙だが、この藤花図では見たままをかいてはい
ない。面白いのは幹や蔦の描き方。鮮やかな藤の花に対して、幹はたらしこみ
技法で墨を薄く滲ませている。そして、この幹や蔦は生き物のように縦、横に
大きく折れ曲がり、蔦同士が絡みあう。藤の花を沢山描かず、余白をとってるの
も魅力のひとつ。

GWのニュースに春日部にある藤の名所が出てきた。いつか、訪ねてみたい。

|

« 大リーグ開幕1ヶ月 | トップページ | 歌川広重の肉筆画 »

コメント

いづつやさん、

広重の裏見の滝のコメントを出させていただいた
あと応挙の「藤花」の記事を拝見、最後の部分に
我が、春日部市の藤の花のことがでていて感激。
樹齢数百年という、天然記念物の「牛島の藤」で
有名ですが、春日部駅西口から一直線に1500メートル続く、藤棚どうりは(道に両側)、盛りを
過ぎたものの、まだ咲いている房もあり甘い
香りをさせています。桜と同じで年によって
咲く時期が変わり、今年は去年より10日ぐらい
遅い(大体桜より3週間遅く開花)です。
もし、本当に来られることがあればいつでも、
ご案内します。
もっとも、いまでは足利のフラワーパークの
藤には完全に脱帽ですが。
(続けて、コメントをだせていただいた春日部の
 増田より)

投稿: T.Masuda | 2005.05.08 22:36

to T.Masudaさん
紫が好きな色なので、藤の花には魅せられます。
牛島の藤は有名ですね。TVをみてますと、ここを訪れる
観光客は多そうですね。

応挙は藤の花を沢山描いてないのですが、これがかえって藤の美しさ
を引き出してます。日本画の真骨頂である余白のとり方がうまいですね。

投稿: いづつや | 2005.05.09 00:14

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 円山応挙の藤花図:

« 大リーグ開幕1ヶ月 | トップページ | 歌川広重の肉筆画 »