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2005.05.01

益子焼

60昨日は益子陶器市に行った。この陶器市はよくTVで紹介される。春のGWと、11月に開かれるそうだ。広島にいたとき、萩焼の陶器市に出かけたが、会場は体育館のなかだけなので人出はここに比べるとかなり少ない。

それにしても凄い観光客の数。予想以上の賑わいにびっくり。ここには昔、一度来たことがあるが、不覚にも風景の記憶がきれいにとんでいる。隣の方はこの森を覚えているとか、この店で
陶器を買ったと言っている。買い物は後にして、前回はなかった陶芸メッセ・益子
に足を運んだ。ここは1993年に開館している。

目玉は陶芸館と旧濱田庄司邸(母屋)。陶芸館の第一展示室には益子の
名前を全国的に知らしめた最大の功労者、濱田庄司の代表作“柿釉抜絵大鉢”
がある。濱田の作品では大鉢を観るのが楽しみ。茶褐色の地に見込み
の模様として丸い文様が描かれている。ほかにも名品がいくつもあった。

濱田の作品の隣に49歳で亡くなった加守田章二の独創的な形をした陶器が
展示してあった。この人が益子で作陶してたことは知らなかった。
別の展示室では新人陶芸家の登竜門といわれる42回朝日陶芸展をやっていた。
これまで、この展覧会は聞いたことはあるが、料金を払ってみたことはない。
現代感覚の陶芸アート。陶器でこんな表現ができるのかと感心しながら、
夢中になって鑑賞した。こうした作品は結構楽しめる。芸術大学の陶芸科を
でた人たちの豊かな才能に拍手。

陶器市の喧騒を離れ、次に向かったのが益子参考館。ここは濱田庄司の
離れ兼陶房を一般公開しており、名品が沢山見れる。
赤絵の水指、白釉の花瓶、青釉の大鉢などなど。また、民藝運動の同志、
河井寛次郎、バーナード・リーチのいい作品も展示してある。巨匠たちの作品が
一度に観れるのでもうたまらない気分。

濱田が所蔵していた右の“山水土瓶”も感動した一品。明治の中ごろ、益子で
つくられた土瓶のなかでもこの山水土瓶を濱田は民藝の精神にかなう
“健康の美”と称えている。益子の陶土は土質が粗いので薄づくりが難しく、
鉄分を多く含み、茶褐色に発色する。そのため糠白(ぬかじろ)のような
不透明な白釉で白化粧してその上に装飾する。磁器の有田焼のように薄くて硬い
、そして細かい装飾が施された作品とは違う。この山水土瓶のシンプルで
おおらかな感じがいい。白化粧の地に青釉と鉄絵でさらっと描かれた
水辺や山に惹かれる。

展示室の他には仕事場であった工房、登り窯が生前のまま残されている。
河井寛次郎にくらべ濱田庄司の名品をみる回数が少なかったが、益子を訪れ、
この差が一気に縮まった。日常で気楽に使える益子焼を買うことも楽しかったが、
濱田庄司の作品を観れたことがなによりの収穫。

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