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2005.04.23

クノップフ

528ブリュッセルにあるベルギー王立美術館は魅力的な美術館だ。古典美術と現代美術に分けられているが、最初に入ったのは現代美術館。昔購入したラミューズの世界の美術館シリーズで目玉の絵を確認しながら、展示コーナーを進む。

どんな作品が飾ってあるのかと落ち着きの無い目でみていると、いきなり右のクノップ作“愛撫”がとびこんできた。お目当ての絵。50cm×150cmと
横長の画面に、一度みたら忘れられない、顔が美しい女性となっているチータが
描かれている。これはスフィンクスでオイディプスにみたてられた両性具有の青年
と頬を摺り寄せている。図録でみるとチータの黄金が輝いてるイメージだったが、
実際は逆に色が薄い感じ。

象徴派の絵を解釈するのは素人には難しい。観念を横においてみてもこの絵には
魅せられる。女とチータの組み合わせはケンタウロスにヒントを得たようなものだが、
クノップフは自分が愛した妹をこの女のモデルに使っている。このあたりが複雑。
この絵は1896年に制作され、1898の第一回ウイーン・分離派展で展示された。
クリムトも彼の絵を高く評価したという。

クノップフの絵はもう一点、“メモリー・芝生のテニス”があった。これも非現実的な
不思議な絵。7人の女性が広々とした芝生の一角にスポーティーな装いをし、
ラケットを持っている。女性は同一人物で妹の肖像。クノップフの絵には妹が
何度もでてくる。

このコーナーにラファエロ前派、バーン・ジョーンズが描いた“プシケの婚礼”が
あった。クノップフはラファエロ前派のハント、ワッツ、ロセッティ、バーン・ジョーンズと
交流があり、とくにバーン・ジョーンズとは仲が良かったらしい。クノップフはバーン
・ジョーンズの描く女の型、男性的な面差し、四角ばった顎、虚ろなまなざしをした女
に霊感をうけている。

これまで象徴派の絵をまとまってみたのは96年、Bunnkamuraでの企画展しか
なかったが、今回、クノップフの代表作“愛撫”とバーン・ジョーンズの名画が加わり、
象徴派の絵にだいぶ目が慣れてきた。明日はBunkamuraの象徴派展を見に行く
予定。

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コメント

インパクトのある絵ですね。猫科の動物を女性にみたてるのは、その気まぐれと神秘性を表現しているのでしょうかねぇ?

ブリュッセルといえば、現在高松市美術館で「ゲント美術館名品展 西洋近代美術のなかのベルギー」が開催中です。
http://info.yomiuri.co.jp/event/01001/200503306834-1.htm
同館開催後は、世田谷美術館(6月11日~9月4日)、いわき市立美術館(9月10日~10月23日)、埼玉県立近代美術館(10月29日~12月25日)に巡回するそうです。

私にとって高松は東京より遠いです。(^^;

投稿: リセ | 2005.04.24 09:36

to リセさん
愛撫はクノップフの代表作なので熱心に見ました。目を閉じた女
とじっと前を見ている女性のような青年が頬を寄せ合ってる絵
なんてあまりありませんね。神秘的な雰囲気があります。

何を象徴してるのか、正確な理解には至りませんが、200%魅了
されました。この旅行の収穫の一つです。
ゲント美術館の情報有難うございます。

投稿: いづつや | 2005.04.24 20:11

クノップフは一番好きな画家です。

投稿: 榎俊幸 | 2007.09.16 20:53

to 榎俊幸さん
はじめまして。書き込み有難うございます。
クノップフは象徴派のなかでは群をぬいて
いいですね。この“愛撫”は一生忘れられ
ない絵になりました。

これからもよろしくお願いします。また、
気軽にお越し下さい。

投稿: いづつや | 2007.09.21 09:25

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