ゴッホ美術館のドンゲン
アムステルダムのゴッホ美術館はゴッホの作品だけでなく、印象派の画家などのいい絵が結構揃っている。
お気に入りはモネの3点、その1点“球根畑と風車”が今、東近美のゴッホ展に展示されている。昨年この絵をここで観た時はワオーてな感じで、大変感激した。色使い、筆のタッチはモネもゴッホも変わらない。ゴッホがこの絵を描いたと言われても分からないかもしれない。
点描画家、スーラの“クールボアのセーヌ河”は小さな絵だが色の組み
合わせが秀逸。ゴッホと仲がよかったロートレックの作品にもいいのがある。
ひとつは“ゴッホの自画像”、もう1点は“テーブルのそばの若い女性”。
この美術館はルドンなど象徴主義の芸術家の作品やゴッホの影響を受けた
オランダ人画家の絵も収集している。右の絵はキース・ヴァン・ドンゲンが
描いた“画家の妻、ヒュース・プライテインゲルの肖像”。ロッテルダム生まれ
のドンゲン(1877~1968)はゴッホの強烈な色彩に触発され、マティス、
ブラマンク、ドランらと共にフォービズムと呼ばれる新しい絵を描きはじめる。
1911年頃制作されたこの妻の肖像画を昨年見たときはドキッとした。フォー
ビスムらしく背景には赤を使い、衣装の青、肌の白と強いコントラスをなして
いる。女性は官能的で洒落ている。ドンゲンの絵をみる機会は少ないのだが、
この絵はエルミタージュ美術館(拙ブログ04/12/30)にある絵と同じくら
い魅力的。
ドンゲンという画家には竹久夢二の“黒船屋”という絵をレビューしてる時、
偶然出会った。その後、この画家の絵が高いレベルにあることに気づいた。
自由行動のとき訪ねたアムステルダム市立美術館にも女性を描いたいい絵
があった。ドンゲンの作品をいくつも観れたのはこの旅行の大きな収穫。
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