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2005.04.24

デルヴィル

54ベルギー象徴派の作品ではクノップフの愛撫が第一のターゲットだったが、彼より10歳若いデルヴィルの“悪魔の宝物”にも関心があった。しかし、残念ながらこの絵は展示されてなかった。

デルヴィルの作品はほとんど知らない。記憶にちゃんとあるのは96年Bunnkamuraであった象徴派展で見た数点のみ。作品のイメージはイギリスのブレイクの絵をもっと写実的に描いた感じだった。

王立美術館でデルヴィルの作品に会えず消化不良だったが、現在、
Bunnkamuraで開催中の“ベルギー象徴派展”でリカバリーショットのような
感動の一枚に出会った。それは右の“死せるオルフェウス”。今回、デル
ヴィルの絵は“帝権”、“栄華を司る天使”、“死せるオルフェウス”、“エレ
ウシスの女たち”、“パルジファル”がでている。

どれもいい絵。デルヴィルに対する評価がこの絵をみてグンと上がった。
こんな魅力的な絵を描く画家とは知らなかった。ベルギー象徴派のことが
すこしわかってきた。どうもクノップフとデルヴィルが飛びぬけてるようだ。

チラシをみて気になってた“死せるオルフェウス”は神秘的な絵。オルフェ
ウスの首を載せた竪琴は海に浮かんでいるのか、天空をさまよってるの
か?竪琴には綺麗な装飾文様が細工されている。画面全体は空とも海中
とも思わせるような青一色。上から光が当たり、青白くなったオルフェウス
の顔が光っているのが印象的。

ギリシャ神話にでてくるオルフェウス物語は絵画の画題によく取り上
げられる。悲劇から抜け出せないのがオルフェウスの可哀そうなところ。
妻のエウリュディケが蛇に噛まれて命を落とした際、冥界まで行き、
妻を返してもらうことになったのに、地上に着くまでは後ろを振り向かな
いという約束をつい忘れてしまい、寸前のところで妻は再び冥界に
戻されてしまう。

それ以後、絶望したオルフェウスはすべての女性を避ける。この潔癖症
がトラキアのバッカスの信者たちに嫌われ、八つ裂きにされてしまう。
そして、頭は川に投げ捨てられ、竪琴は天の星座になる。

この死せるオルフェウスはモローが描いた“オルフェウス”(オルセー美
術館)と共に忘れられない絵になった。

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