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2005.04.17

フェルメールのデルフトの眺望

182期待のマウリッツハイス美術館を訪れた。北海に面したデン・ハーグ市にある。あまり大きな美術館ではないが、所蔵する作品はオランダ絵画の傑作が揃っている。

レンブラント、フェルメール、ハルス、ロイスダール、ステーン、アーフェルカンプ。。

とくにレンブラントの絵が多い。レンブラントの出世作となった“テュルプ博士の
解剖学講義”、“スザンナ”、“老人像”、“シメオンの賛歌”、“自画像”(若いころ)。
どれもいい絵。最も見たかった晩年の自画像(1669年)はなかった。どういうわ
けかアムステルダムの国立美術館でも“使徒パウロとしての自画像”(1661年)
にお目にかかれなかった。ツイてない。

ハルスの“笑う少年”は小さな絵だが、無邪気な笑いにおもわずこちらの口元が
ゆるむ。当時、笑う人物を絵にするなんて勇気がいることだと思うが、ハルスは
これを最初におこなった。しかも、印象派のような描き方で。ゴッホはアムステル
ダム美にあるハルスが描いた集団肖像画をみて、感激したという。

当マウリッツハイス美術館の自慢はフェルメールの作品。3点ある。“デルフトの眺
望”、“真珠の耳飾りの少女”、“ディアナとニンフたち”。いつも3点飾ってあるこの
部屋になんとウイーン美術史美術館所蔵の傑作“絵画芸術の寓意”があった。
まったく予期せぬビッグな展示。

96年、ここでフェルメール展が開催された時、この絵画芸術はコンディションが悪く
出品されなかったので、9年ぶりのお目見え。フェルメール作品のトップの傑作、
真珠の耳飾り、デルフト、絵画芸術が一度に見られるなんて夢のよう。真珠の耳
飾り、絵画芸術は過去見たので、はじめて観る右の“デルフトの眺望”に神経を
集中。

噂には聞いていたが、見事な風景画。マルセル・プルーストがこの絵は世界で
一番の風景画と言ったというが、全く同感。西洋画のなかで好きな風景画といえ
ばこれまではモネの作品だったが、このデルフトの眺望はモネよりいいかもし
れない。光の表現がとにかく凄い。真ん中、中景の建物の屋根のレンガは明る
く輝いている。空の青には高価なウルトラマリンブルーが使われている。

画面の大半を占める空に大きく広がった白い雲が印象的。川に面してたつ建物
のレンガ色、茶褐色が実にここちよい。また、川に浮かぶ船は点描にように描
かれ、光っている。印象派の絵を先取りしてる感じ。構図も巧み。手前に砂浜を
描き、奥行き感をだしている。何か話をしている女性、船に乗り込もうとしてる
人たちに目がいき、質感が素晴らしい建物、明るい空に心うたれる。

フェルメールは他のオランダの画家には思いもつかなかったこんな風景画を20代
の終わりに描いた。感動200%の傑作。

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コメント

いづつやさん、こんばんは。

「デルフト」を生でご覧になったのですか!
羨ましい限りです。

以前「オランダの光」という映画に、
この作品が登場していたのですが、
白く浮かぶ雲やコントラストなどにとても惹かれました。
是非見てみたいです。

「感動200%」をこの記事で少し貰わせていただきました!

投稿: はろるど | 2005.04.18 00:07

こんにちは。

この作品はどうしてそれほどまで
崇め奉られるのか実際に目にしないと
ほとんど理解できないですよね。

私も観るまではどうして??の連続でした。

今回、デルフトで描かれた場所にも立ち
あらためてこの作品と対面して
同じく感動200%味わいました。

投稿: Tak | 2005.04.18 17:08

to はろるどさん
フェルメールの人気の作品、真珠の耳飾りの少女とデルフトの眺望
を所蔵してるマウリッツハイス美術館への入場はこのツアーの目玉でした。
デルフトの眺望には感動しました。印象派のような描き方が
気に入りました。砂浜にいる人物のかきかたはゴッホの“夜の
カフェテラス”と似ています。強く心に残る絵です。

投稿: いづつや | 2005.04.18 20:14

to Takさん
本物のデルフトの眺望は凄いですね。見惚れちゃいました。
フェルメールの光は色を鮮やかに見せますね。印象派の絵
を観るようでした。

モネやゴッホの風景画をこよなく愛してますが、このフェルメールが
描いたデルフトはMy風景画のなかでは最上位にくる作品です。
イギリスのコンスタブルの絵とモネの絵をたして二で割ったような
感じです。人物の描き方はもう印象派そのもの。

名画に会えて本当に幸せです。

投稿: いづつや | 2005.04.18 20:37

いづつやさん。先日はありがとうございました。オランダでロイスダールの傑作の本物ごらんになったんですね。うらやましいです。

フェルメールの「デルフト」は、ロイスダールの絵にくらべて空がやや明るく描かれていること、ロイスダールのアムステルダムの港の絵構図は、クロード・ロランのように町の中から海を彼岸の方向に見るような感じですが、フェルメールの「デルフト」は向こう岸の町なみを意識して描いている気がします。

投稿: siyajkak | 2005.07.18 01:15

to siyajkakさん
16日はお世話になりました。新しい方もお見えになり、楽しいオフ会
でした。ロイスダールの絵はアムステルダムとマウリッツハイスで
魅力的な風景画をみました。中でも、マウリッツハイスにあった“漂白場
越しに見るハーレムに眺め”が気に入ってます。パノラマ的な構図
に目をこらしてみると農作業をしている人たちが何人か見えます。
そして、画面の三分の二を占める空が実にリアルで印象的でした。
また、オフ会でお会いしましょう。

投稿: いづつや | 2005.07.18 19:17

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» 「デルフトの眺望」今昔 [弐代目・青い日記帳]
今更ながらフェルメールの風景画はたった2枚しか現存しません。 一枚は「小路」デルフト市内を描いたものです。 同時代の画家ホーホの描いた作品にとても似ています。              Pieter de Hooch (1629-84) 「The Courtyard of a House in Delft」 ただ、フェルメールの「小路」が描かれたのは現在のデルフトの 何処であるか、2,3説はあるものの絶対にここ!という候補地は 見つかっていません。(なにせ日本の江戸時代の作... [続きを読む]

受信: 2005.04.18 17:06

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