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2005.04.11

アムステルダム国立美術館のフェルメール

42改装のため展示作品を絞っているアムステルダム国立美術館に足を運ぶ人のお目当てはオランダが世界に誇る巨匠レンブラントとフェルメールの絵。

世界中からやってくる美術愛好家のため、この2人の画家の展示スペースは確保されている。実はこの美術館が大規模な改装を08年までやるとの情報を得ていたので、会場に入るまでひょっとしてレンブラント、フェルメールの絵も全部観賞できないのではと心配していた。

フェルメールの絵は3枚飾ってある。“小路”、“牛乳を注ぐ女”、“手紙を読む女”。
もう1点、“恋文”があるはずだが、残念ながらお目にかかれなかった。この絵は
確か、Takさんが観に行かれたフランクフルトのシュテーデル美術館に貸し出し中。

牛乳を注ぐ女の画題はありふれた日常生活のひとコマ。でも、絵の仕上がりは
超一級。女性が着ている服の黄色、青が鮮やかで、テーブルにあるバスケットや
パンに光があたりきらきらしている。レンブラントの光と影の演出とは異なり、光を
効果的に使い明るい色調で質感を巧みに表現している。また、構図のとりかたも
いい。左上にちょこっと窓を見せ、、奥行きのある空間をつくり、ほぼ真ん中に牛乳
を注ぐ女性をもってきている。

22年まえに観た時はまだ絵を観るセンスがなかったが、最近は多少目が肥えて
きたので、この絵の素晴らしさがわかってきた。フェルメールのなかではやはり
1,2位にランクされる傑作ではなかろうか。

フェルメールを再発見したのはフランス人批評家トレ・ビュルガー。1866年に書か
れた論文でフェルメールの絵画が注目されるようになった。当時パリでは歴史画
よりも風俗画が好まれており、フェルメールが描いた市民絵画に魅せられる人が
多くいたようだ。

フェルメールよりも少し前に生まれたラ・トゥールも1630年代“女占い師”や“女い
かさま師”など風俗画の傑作を残している。フランスでフェルメールが見直されたと
いうのも面白い。日本のラ・トゥール展とアムステルダム美術館で風俗画の名画
をみせてもらった。

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コメント

こんばんは。

私も今回、この作品と再開して
以前気がつかなかった点や
新たな発見・驚きがありました。

傑作の傑作たる所以は
こういった点にあるのではないかと
このシンプルな作品を観るたびに思います。

投稿: Tak | 2005.04.11 22:39

to Takさん
昔、この美術館でフェルメールの牛乳を注ぐ女を見たときは、
ただ教科書に載ってる絵とみたくらいの印象でした。
絵の価値をうんぬんするだけの知識を持たない普通の観光客でしたから。

時が流れ、今回はこの絵の素晴らしさを充分感じることが
出来ました。青が鮮やかでしたね。光の表現とこの青に
参ったという感じです。

投稿: いづつや | 2005.04.12 20:29

フェルメールの「牛乳を注ぐ女」は、すばらしい絵画ですね。もっと詳しく、この作品に対するあなたの美術論が聞きたいです。

投稿: sakuzo | 2005.04.13 19:30

to sakuzoさん
はじめまして。書き込み有難うございます。今回、フェルメールの
牛乳を注ぐ女には心うたれました。マグニチュード7ぐらいの衝撃でした。
昔、見たときは認識できなかった光の表現にあらためてびっくりしました。

レンブラントが使った光の演出は人間の内面を捉えようとしたものですが、
フェルメールのこの絵では光は色彩をより鮮やかにし、人物や物を
立体的に見せています。マウリッツハイス美術館ではじめてみた
“デルフトの眺望”と共にフェルメール作品の最高傑作ではないかと
思っています。そして、モネの風景画よりデルフトの眺望の
ほうが魅力的かもしれません。

フェルメールの作品は27点みてるのですが、モノグラフとか美術評論家
の本は読みませんので、どの絵に価値があるのか専門的なことは
あまりわかりません。今回の観賞でカラリスト、フェルメールが
大変好きになりました。

投稿: いづつや | 2005.04.13 21:25

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» 「牛乳を注ぐ女」あれこれ [弐代目・青い日記帳]
フェルメールの代表作といえばこの 「牛乳を注ぐ女」(ミルクメイド) アムステルダム国立美術館所蔵 「真珠の耳飾りの少女」と人気を二分するフェルメールの傑作です。 これだけメジャーな作品となると、街の色んな場所で この作品を目にすることができます。 例えば、現在大規模な改装工事が行われている アムステルダム国立美術館(ライクス)のレンガの壁面に でかでかと「牛乳を注ぐ女」の顔のアップの看板が掲げられています。   改装中ですがフィリップ・ウイングという一... [続きを読む]

受信: 2005.04.11 22:42

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