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2005.04.19

アントワープ大聖堂のルーベンス

50バロックの巨匠、ルーベンスの最高傑作があるアントワープ大聖堂を訪れた。ルーベンスの絵はルーブル、ミュンヘンのアルナ・ピナコテーク、プラド、ウイーン美術史などで代表作を見ることができる。

だが、ひとつ傑作が欠けている。それはアントワープに行かないと見れない“十字架降下”。今回、やっとこの名画に会えた。アントワープ大聖堂にはルーベンスの絵が4枚飾ってある。
いずれも大きな祭壇画。“十字架昇架”、右の“十字架降下”、“聖母被昇天”、
“キリストの復活”。

一番のお気に入りは十字架降下。3連画になっており、真ん中のパネルが
十字架降下。十字架から降ろされる青白くなったキリストと白い布、キリストを
下から支える男が着ている真っ赤な服に目を奪われる。ルーベンスはローマ
で彫刻や浮き彫りから肉体の表現を学んでおり、キリストのポーズはヴァティ
カン美術館にある“ラオコーン”を借用している。

この理想的な肉体にくわえ、キリストを斜めにおく対角線構図が劇的効果を
一層高めている。そして、キリストの足を支えるマグダラのマリアがいる。
聖母マリアの顔はキリストと同じように青白くなっているが、マグダラのマリア
のほうは亜麻色の髪が美しく、死せるキリストをじっとみている。キリストの足
を髪で拭いたという話しを連想させる。いままでみたルーベンスの絵でこれ
ほど感動した絵はない。ここに来れて本当によかった。

日本では“フランダースの犬”でルーベンスの絵を思い浮かべる人が多い。
1872年、英国の女性作家ウイーダによって書かれたこの小説はフランダー
ス地方ではほとんど知られてなかったようだ。1985年にようやくオランダ語
に翻訳され、子供むけの漫画本が出版された。ネロ少年があこがれたルー
ベンスの祭壇画。クリスマスイブのミサが終わった後、少年は月の光に照
らされた絵を見ながら息絶える。

大聖堂の前にフランダースの犬の碑があり、日本語で碑文が書かれていた。
制作費を出したスポンサーは世界のトヨタ。

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