伊藤若冲の樹花鳥獣図屏風
日曜日はビッグな日本画を二つ観た。光琳の紅白梅図屏風と奇想の画家、伊藤若冲が描いた“樹花鳥獣図屏風”。世界にも類を見ないこの樹花鳥獣図を見るため、静岡県立美術館までクルマを走らせた。
名古屋にいたとき、静岡県美は一度訪れた。ロダンの彫刻が揃っているのがこの美術館の自慢。西洋のモザイク画をおもわせる桝目描きという画法で描いた作品は3つある。
今回の“若冲と京の画家たち展”に2つでている。若冲ファンにとっては
おいしい企画展である。もう一つの米国人コレクター、プライス夫妻が所有
する“鳥獣花木図屏風”は03年10月、森美術館の“ハピネス展”でみた。
樹花鳥獣図と鳥獣花木図は六曲一双の大きな屏風であるが、樹花鳥獣図の
ほうが少し小さい。それでも縦133cm、横357cmの大きさだ。
絵の印象は鳥獣花木図のほうが色が鮮やかで保存状態がいい。樹花鳥獣図は
陰影を施して立体感を出そうとしているので、色が鳥獣花木図のように目に
とびこんでくる感じではない。共に右隻に動物、左隻に鳥を配し、真ん中に
白象、鳳凰が描かれている。
右は左隻の鳥尽くし(部分)であるが、吉祥をあらわす鳳凰は尻尾の羽根が
異様に大きく、優雅な鳥というよりは怪鳥のイメージ。他の鶏、あひる、鴛鴦
などに較べ大きく描かれているので、存在感があり、印象深い。そして、
水面を泳ぐ鴛鴦の頭の白がとても美しい。
一方、動物のほうは鳥のポーズにくらべ、トリッキーで意表をつく格好をしている。
ひねりを加えて斜め下から上をみているようなジャガー?。頭を垂直に伸ばし
ている鹿。首を右にぐっと曲げた黒豹。。
こんな桝目描きを想いついた若冲の才能は計り知れない。凄い画家がいたものだ。
小ぶりの“白象群獣図”もでてたので、桝目描きの絵がよくわかった。
静岡県美に感謝〃。
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コメント
行かずにはいられない展覧会ですよね。
話変わりますが、
13日のラ・トゥール展オフ会参加
お待ちしております。
午後一時に美術館入り口付近です。
投稿: Tak | 2005.03.10 13:10
to Takさん
予定通りオフ会参加いたします。会場入り口でお会いしましょう。
3/27、京博の若冲特別展を観に行くことにしてます。これを逃すと10年先かもしれませんので。
投稿: いづつや | 2005.03.11 00:25