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2005.03.04

大和文華館の婦女遊楽図屏風

290ハンス・アルプ展を開催中の神奈川県立近代美術館では美術史家矢代幸雄(1890~1975)の資料展というのも行なわれている。

フィレンツェに住んでいたバーナード・ベレンソンのもとでルネッサンス美術の研鑽をかさねた矢代幸雄は後年、日本画の研究に取り組み、名著“日本美術の再検討”などを書いている。70歳のとき、近鉄の社長からの懇願で奈良市にある大和文華館の館長をつとめ、優れた東洋美術品、日本絵画の収集に尽力した。

この大和文華館には2回訪問した。ここには風俗画のとびっきりの名画がある。
右の国宝“松浦屏風(婦女遊楽図屏風)”。制作されたのは17世紀前半?と
いわれている。6曲1双、各縦155cm、横362cmの大きな屏風である。
遊女と女の子など18人を等身大で描いた群像図。

3年前、この屏風を見たときの感動はいまでも忘れられない。金地を背景に遊女は
キセルや鏡などを手に思い思いのポーズをとっている。遊女の品のいい丸顔
にも目がいくが、一番魅せられるのは衣装。刺繍や絞り染め、金銀箔をすりつけた
色とりどりの文様のなんと綺麗なこと。等身大なので屏風のまえにずっと立って
いると、なんだか遊女と対面しているような錯覚を覚える。豪華な小袖の
ファッションショーを観ている気分である。

女性が沢山登場するという点、また表情が古臭くないということではボッティチェリ
の“春”に似てるかもしれない。この松浦屏風は修復によりその色彩は一段と
鮮やかさを増し、00年に4年ぶりに公開された後、02年、03年に出品された。
この絵は風俗画の一番のお気に入りで、リビングにミニ屏風を飾っている。

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