ルネ・ラリック展
京都駅ビルに入っている伊勢丹の7階でルネ・ラリク展というのをやっていた(3/28まで)。正確には美術館「えき」KYOTOの企画展。こんなところに美術館があるとは知らなかった。箱根でみたラリック作品がいまひとつぐっとこなかったので、口直しのつもりで入ってみた。
展示の大半はガラス工芸。魅力的なのが一杯ある。箱根の専門館にもガラス工芸の名品が揃ってたが、ここの造形の美しさ
にも釘づけになる。ラリックは宝飾品で名をなした後、50歳頃からガラス工芸
作家に転向し、透明ガラスで光の表現を追求する。造形に多く使われたのが
裸体の女性。
そのなかで魅せられたのが右の“三足鉢・セイレン”。ギリシャ神話にでてくる
美しい歌声で船乗りを誘惑するセイレンを、透明ガラスのなかに人魚の姿で
表現している。これは代表作のひとつだそうだ。じっと見てると目の前に人魚が
ゆらゆら動いてるように見える。
この作品のとなりにはオウムやインコをモティーフにした綺麗な花瓶がある。
また、光の角度でガラスの色がブルーになったり、オレンジ色になったりする
オパルセント・ガラスを使った作品が素晴らしい。裸婦を形どった花瓶や立像
は見る位置により色が変わる。このオパルセント・ガラスは1925年頃から
ラリックが使い、アール・デコ期に大流行したらしい。
このほかにも、香水瓶、カーマスコット、時計などにラリックが創作した優雅で
モダンな造形美をみることができる。この展覧会はこの後、日本橋高島屋に
巡回する(3/30~4/11まで)。
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