« ゴッホ展 | トップページ | 堂本印象美術館 »

2005.03.27

京博の伊藤若冲展

395京都国立博物館の平常展で特別展示されている伊藤若冲の作品を今日、滑り込みで見てきた。

静岡県美で若冲の桝目描きの代表作をみたので、今回は水墨画をまとめてみることで若冲の絵に対するトータルの理解を深めようという訳である。

見終わって、奇才若冲の絵の特徴、画法がだいぶ分かってきた。独自の画法で表現の巾を広げた若冲だが、点描法で描かれた“石燈籠図屏風(いしどうろう)”(京都国立博物館蔵)もユニークな作品。この絵を是非とも観たかった。1月、東博の元旦平常展に出品された“松梅群鶏図屏風”ではじめて点描法で描かれた石燈籠をみた。

この絵には石燈籠は少ししか出てこないが、京博蔵の六曲一双の屏風では
画題の中心が石燈籠。スーラが用いた点描法とは違い、若冲は石の質感を出
すために点々で描いている。たしかに、石燈籠はこんな感じ。若冲の
並外れた観察力が点描という技を生み出したのだろう。樹木や鳥や背景の
山々は普通の墨の濃淡で描かれている。

多才な技をモティーフにより使い分け、画面を構成していくのは並みの才能では
なしえない。これは若冲でなければ描けない絵である。桝目描きといい、
点描法といい、描きたい対象をリアルに表現するためにアイデアがいくつも
出てくるなんて、天才としかいいようがない。

このほか気に入った絵は子犬を沢山描いた“百犬図”、あまりに太ってるので思わず
笑ってしまう鶏が登場する“隠元豆双鶏図”、赤と黄色が強く印象に残る
鶏頭(けいとう)と蟷螂(かまきり)を描いた絵などなど。

時代を突き抜ける個性をもち、人々をあっと驚かす技を駆使して、超リアルに花鳥画を
描いた若冲。世界に誇れる絵師ではなかろうか。

|

« ゴッホ展 | トップページ | 堂本印象美術館 »

コメント

いづつやさん、こんばんは。何と、京都にいらっしゃったとは! いづつやさんの美を求める好奇心と機動力にはいつも見習いたいと感心いたしております。

さて、若冲の点描法で描かれた“石燈籠図屏風"、面白いですねぇ。石の質感だけでなく、光と影の微妙な陰影をも描きだしているように見えますが、いかがでしたか?
ふと、この屏風図の色調にラ・トゥールの色調が重なり、目を惹かれてしまいました(^^;;

私も京都とまでは行かなくても、せめて熱海MOA美術館を久しぶりに訪ねてみたいと思いました。いづつやさんの文章は人を走らせますね(笑)

投稿: June | 2005.03.28 01:03

to Juneさん
00年、ここで開催された伊藤若冲展を都合がつかず、見逃したのです。
今回の展示でその一部が見れればと想い、新幹線に乗りました。
たぶん、これをパスすると5年ぐらいはお目にかかれないでしょうから。

点描法で描いた石燈籠には驚かされます。ご指摘のように点々で
石の質感と陰影を表してます。濃い点と薄い点で微妙な陰影を出して
いるのですから凄いです。この絵は六曲一双の屏風なのですが、
構図の取り方は浮世絵の風景画を見るようです。近景で石燈籠と石の柵、
樹木を大きく描き、中景をとばし、遠景に雲海と山々をもってきてます。
いい絵でした。

投稿: いづつや | 2005.03.28 20:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 京博の伊藤若冲展:

« ゴッホ展 | トップページ | 堂本印象美術館 »