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2005.03.03

美術史家の役割

本日の朝日新聞に奇想画家についてのコラムが載っている。新しい情報として
現在、京都国立博物館で伊藤若冲の絵を26点特別展示していること
(3/27まで)、そして4/12からはここで“曾我蕭白”展がはじまることが
書かれていた。知ってしまうと俄然京都に行きたくなる。

最近、奇想画家、若冲が好きな若者が増えているという。スーパーテクニックを
使って描く、リアルで幻想的な花鳥画に美を感じるのだろうか。そういえば、同じく
奇想の画家と呼ばれている長澤芦雪の“虎図”(串本町の無量寺)を20代の
女性が熱心に眺めていた。

奇想の画家という言葉を世に流行らせたのは美術史家の辻惟雄氏。70年に
出した“奇想の系譜”(ぺりかん社)という本で奇想の画家6人をとりあげた。
岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長澤芦雪、歌川国芳。
いまではこうした画家の名前と作品も日本画のなかで評価が高まり、展覧会
が開催されると多くの人が足を運ぶ。一番の人気は若冲。又兵衛は昨年、
千葉で大きな展覧会があったので、これから関心が高まるかもしれない。

画家が世間で認められるためには眼力のあるパトロン、画商や美術史家の後押し
も不可欠。美術史家のビッグネームはヨーロッパではルネッサンス研究の大家
バーナード・ベレンソン(米国コレクターガードナー夫人の美術指南役)、
カラヴァッジョブームの火付け役ロベルト・ロンギ、ベレンソンの弟子
ケネス・クラーク。。
日本ではボッティチェリの研究で世界的に認められ、のち日本画に転じた
矢代幸雄、琳派研究の第一人者山根有三、奇想の画家を紹介した辻惟雄。。

静岡県美の若冲展ではこの奇想ということをうたわないらしい。今のアート
シーンのなかでは奇ではなくなったのだろう。辻氏の狙いがようやく
実ってきた。

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