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2005.03.20

岩佐又兵衛の浄瑠璃物語絵巻

332週間前に行ったMOA美術館にまた、クルマを走らせ、岩佐又兵衛が描いた“浄瑠璃物語絵巻”(全12巻)を観賞した。奇才岩佐又兵衛の絵巻群は昨年10月、千葉市美術館で開かれた展覧会(拙ブログ11/28)で一通り見たのだが、出品された作品は残念ながら膨大な長さの絵巻の一部であった。

又兵衛の絵を多く所蔵するMOAはNHKの大河ドラマ義経を意識したのか、義経が登場する“浄瑠璃物語絵巻”を現在、
12巻全部公開している(4/19まで)。2年まえにも“山中常盤”を全巻みせている。

岩佐又兵衛と工房が1640年ごろ描いたこの“浄瑠璃”を1巻から熱心に見た。
この絵巻の素晴らしい点は色が鮮やかなことと細密な描写。高価な顔料や金箔を
おしげもなく使い、極彩色の世界をつくっている。右は義経が恋する浄瑠璃姫
を口説いてるところ。浄瑠璃姫の衣装、柱にまきつけられた布の赤や紺色、松の
緑に目が眩みそう。細密な描写力は義経、浄瑠璃姫、お付の女官の
衣装の文様、障壁や調度のデザインに覗え、細かいところまで丁寧に描き
込まれている。工房の絵師たちが総動員で手抜きせず、時間をかけて仕上げた
のであろう。これほど細密な絵を描いたのは又兵衛のほかには伊藤若冲しかいない。

この絵の凄さは本物を観ないと分からない。義経に言い寄られる浄瑠璃姫の
髪が異常に長く、そして一本一本がリアリティに表現されているのがおもしろい。
ここだけをみるとエロティック。髪フェチといって、話を盛り上げる評論家が
いるが、これはちょっと大袈裟。岩佐又兵衛を官能の絵師にしなくていい。

この物語は後半、黄金の龍、雷神、大きな天狗などが登場する場面があり、
劇画を見るようで楽しい。子供たちにも結構受けるような気がする。

連休のため道路はめちゃ混みでしんどい一日だったが、又兵衛の傑作を観た
満足感が疲れを吹っ飛してくれた。

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コメント

いづつやさんのコメントに誘われてMOA美術館に行って観てきました♪
本当に実際に観てみないと緻密な細部描写や絢爛たる色彩はわかりませんね。ショップで売っていた図録の写真を見たら、なんだかガッカリしてしまい、購入をするのをやめました。

いづつやさんのおっしゃる通り、浄瑠璃姫の長い髪が屏風に掛る描写は印象的でしたが、髪フェチとは私も思えませんでした。とにかく、全てが細部まで心配りしてあるのですよね。端役にすぎない郎党でさえおろそかにせず、その衣装の色合いや模様の繊細に感動してしまいました。

本当に良いものを観た満足感に、わざわざ行った甲斐がありました。ご紹介してくださったいつづやさんに感謝しております(^^)

投稿: June | 2005.04.10 03:19

to Juneさん
岩佐又兵衛の細密色彩画を楽しまれたようですね。仲間が増えてよ
かったです。いつも思うのですが、絵画鑑賞は本物にいかに
多く接するかですよね。こういう絵巻物を全部みる機会があまりないので、
1巻から最後の巻まで時間をかけてじっくりみるのは本当に楽しいです。

又兵衛の絵の場合、色が鮮やかさで衣装や調度品の文様が細密に
描かれてますので、時間がたつのも忘れて見入ってしまいます。
山中常盤物語、堀江物語の公開が待ち遠しいです。
展示される時は一緒に行きましょうか。

オランダ、ベルギーを旅行しました。今日から名画鑑賞記を少しずつアップします。

投稿: いづつや | 2005.04.10 15:07

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