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2005.03.15

横山操のウォール街

Scan10046東京国立近代美術館の平常展(2階)に横山操と中村正義の傑作が展示されている(5/22まで)。横山操の墨絵を山種美術館で観たばかりなので、この画家の作品への関心が強くなっている。

右の“ウォール街”(部分)は横山操の代表作。やっとお目にかかれた。この絵を観て日本画と思う人はまずいない。洋画である。でも、この絵は岩絵具で描かれている。色は画面中央の空を表す青とビルの先端に使われている赤、そして壁面の荒いタッチで描かれた白と黒の4色のみ。画面の大半は白と黒で埋められている。ビルの谷間に僅かにみえる空の青が絵全体を引き締めている。

横山は日本画の枠にとらわれず、鋭い感受性で摩天楼に聳え立つビル街と
いうアメリカを象徴する光景を無機質的にひんやりと描いている。

横山操の作品はこの絵と墨絵の“万里の長城”、“塔”の3点が出ている。
万里の長城は中国の人に見せたいくらいの名画。実際の長城はこの絵の
ようにはなっていないが、横山の心象風景としての砦が大画面に描かれ
ている。塔は放火によって焼け落ちた東京の谷中にあった天王寺の五重
の塔を濃い墨色と力強いフォルムで描いた作品。強く印象に残る絵である。

いい作品を観させて貰った。横山操の画技と深い精神性にますます魅せ
られていく。

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