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2005.03.01

山口蓬春と尾形光琳

23今年に入って、近代日本画家、山口蓬春の絵にはまっている。きっかけは松岡美術館で観た代表作の“山湖”(拙ブログ1/26)。そして、以前みた名品の由来を葉山にある記念館で知り、ますますこの画家の作品に目がいくようになった。

その絵が右の“月明”。広島にあるウッドワン美術館が所蔵する日本画、洋画の名品をはじめて全国各地の美術館で巡回展示したとき、この絵も出品
された。観たときの印象は二重丸。月は描かれていないのだが、澄んだ青の画面は
月夜を感じさせ、羽ばたく鴨を照らしだしている。

この空を飛ぶ鴨の先行例は琳派にある。山口蓬春は尾形光琳が描いた“飛鴨図”を
所蔵していて、この絵が現在、記念館の新春展にでている。二羽の鴨が向きを
ちがえて飛び交う構図がいい。墨一色で描かれ、羽や背における墨のにじみに
より鴨の生態をよく描き出している。光琳もまた宗達の飛鴨図を先行図様としている。
蓬春は琳派の流れを意識してこの“月明”を描いたのである。

近代日本画で名をなした画家は宗達や光琳、抱一の世界に魅力を感じるのか
琳派風の絵を描いている。昨年、東近美で開かれた“琳派展”でも巨匠たちの名画が
ずらっとでた。横山大観、菱田春草、下村観山、前田青邨、小林古径。
次世代の中村岳陵、福田平八郎、山口蓬春、加山又造。
山口蓬春の“扇面流し”(記念館所蔵)もなかなかいい絵だった。
日本画が世界に誇れるのはなんと言ってもその装飾性、工芸美である。
琳派の魅力は尽きない。

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