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2005.02.09

梅原龍三郎の紫禁城

11東京国立近代美術館で何年ぶりかに梅原龍三郎の“北京秋天”をみた。

ここの平常展は定期的にチェックし、頻繁に観に行っている。日本画と洋画の名画が一緒に鑑賞でき、料金も420円と安い。この美術館には日本人画家の洋画に関しては教科書にでてくる作品が沢山ある。

日本画と違い、油絵は光による影響がないため展示期間が長く、同じ絵を
何度もみることになる。で、飽きるかというとそんなことは無い。岸田劉生
の“麗子肖像”などは見るたびに感動する。名画たる所以だ。落語や漫才で
同じネタなのにまた笑ってしまうのと同じ。

梅原龍三郎の“北京秋天”は代表作の1枚。1942年に描かれている。
梅原は1939年から1943年まで毎年数ヶ月北京を訪れ、北京の風景を作品に
している。この絵のほかに“雲中天壇”(1939年、京近美所蔵)、
“紫禁城”(1940年、永青文庫)がある。この3点はどれも傑作。

一番好きなのは右の“紫禁城”。この絵には昨年4月、松江市にある島根県立
美術館で偶然出会った。あまり期待せず、ふらっと入った昭和前期の洋画展に
“雲中天壇”とともにでていた。わおーてな感じですごく嬉しかった。
10年くらい前みた紫禁城が目のまえにあるような感じがした。紫禁城の赤、
空の白い雲、木々の緑がうまくとけあっている。カラリスト梅原ならではの
装飾的で美しい作品である。

梅原龍三郎とか安井曽太郎などの絵をもっとみたいと思っているのだが、
この巨匠たちの大規模な回顧展があまりない。日本画の画家に較べ、
洋画をやった人の展覧会が少ないのは残念なことだ。

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コメント

私も「北京秋天」は見たことがあります。緑の森と朱の建物のコントラストが美しく、また空を広く描いているため奥行きと広がりを感じさせてくれる絵ですね。
2000年に実際に見た紫禁城や天壇よりはるかに美しいように思いました。梅原氏の活躍していた時代の北京は、今よりもっと美しい町だったのかもしれません。

小林秀雄が梅原龍三郎のことをこんなふうに書いています。
「私は、自分が音楽が好きな為とばかりは思えないのだが、梅原氏の絵の色調には音楽を強く刺激して来るものがある事を、常々感じ、これは、この画家の天賦の色感の非常な純粋性に由来すると考えていた。」

投稿: リセ | 2005.02.12 23:09

to Lyceeさん
風景を描いた名画は強いインパクトをもつことがありますから、
その絵のイメージで目の前の景色をみることがありますね。そして、
実景が弱につまんなかったりして。おっしゃるように梅原画伯が見た
北京のほうが美しかったかも知れませんね。紫禁城も雄大でいいですが、
天壇も大変気に入ってます。

小林秀雄は流石鋭いですね。色から感じるものは目に見えないイメージ
ですから、音楽と通じるものがあります。カラリストの場合、とくにそう
でしょうね。私の好きなカンジンスキーも音楽と関連づけて絵を描いてます。

投稿: いづつや | 2005.02.13 00:09

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