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2005.02.08

喜多川歌麿

267浮世絵の専門美術館である太田記念館で開催中の名品展が2月になり展示替えになったので再度足を運んだ。この展覧会が新日曜美術館で紹介されたこともあり、先週土曜は10時半の開館には大勢の人が並んでいた。

前期、後期出っ放しの作品はわずかで、後期にでている肉筆画、版画とも名品揃い。前期のときもそうだったが、一つ一つの作品にこんなに興奮する展覧会はそう無い。いままで見た浮世絵の
展覧会の場合、春信、清長、北斎、広重、歌麿、写楽、豊国、国芳といった
ビッグネームの作品には名品が多いのに対し、中堅クラスの絵師のは印象が薄く、
平均的な浮世絵というイメージが強かったが、この記念展に出品されている
中堅絵師の絵に優品がいくつもあった。

歌川豊広の“ほたる狩り図”、勝川春湖の“夕立”など。また、準ビッグネーム、
勝川春章の肉筆画“子猫に美人画”や溪斎英泉の江戸八景にも魅了される。
月岡芳年の“雪中常盤御前図”も二重丸。

見所一杯の展覧会であるが、一番気に入ったのが右の喜多川歌麿の
“三保の松原道中”(部分)。大きな一枚絵(版画)。歌麿の美人画は東博などで
見る機会があるが、このような人物画と風景画が一緒になった絵はあまり
お目にかからない。この絵をじっくりみて、浮世絵師歌麿の天才ぶりがよくわかった。

女性の艶っぽい描き方は天下一品であるが、構図のとり方がじつに上手い。
この絵を注文したパトロンの妻を載せた籠の中に侍と従者を中景でみせている。
近景の女性たちを大きく描き、遠景に三保の松原をもってきている。
広重の絵をみるようだ。この歌麿の絵に会えたのは大きな喜びである。
太田記念館に感謝。

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