« 癒しのモーツァルト | トップページ | 喜多川歌麿 »

2005.02.07

横山操の越路十景

09日本画家、横山操が描いた“越路十景”を山種美術館でみた。この越路十景という絵はこれまで一部はみたが、全部まとめてみるのははじめて。

横山操の作品はあまり観ていない。山種の所蔵の絵を数点みた程度。画集などでみると、この画家の作風は都市の一角を描いた油絵をおもわせる絵やアクションペインティングのような抽象画のイメージが強い。東近美にある代表作“ウォール街”には都市のもつ
寂寥感を感じる。

横山は後年になり、水墨画に新しい境地をもとめ、中国山水画の瀟湘八景をモティ
ーフにした、故郷越後の瀟湘八景を描いている。越路十景はこれを発展させ、越後
八景に越中・越前の二景を加え十景としたものである。10点のうち6点は空気や
光の微妙な雰囲気を出すため金泥を使い、4枚は墨の濃淡により描かれている。

右の作品は“蒲原落雁”。横山が生まれ育った西蒲原郡の光景である。雪の平原
に生えるのはハザキという樹。この樹〃が近景、中景、遠景に重層的に描かれて
いる。目を近づけてみると、水平線ちかくの樹ほど墨の線は細かく丹念。遠くの空は
墨の滲みで表現され、日本海の雰囲気が漂っている。

横山操は1971年、脳卒中で倒れ、右半身不随となり、以後左手で制作を続けたが、
1973年53歳で没している。昨年亡くなった加山又造は少し年上の横山とはウマが
あったらしく、お互い刺激しあって画業に励んだようだ。

会場には越路十景の他、“滝”という傑作も展示されている。来月の5日からは東近
美でも横山&中村展がはじまる。まだ見ていない“ウォール街”がでてくる。横山操
の絵の質の高さがこの展覧会ですこしわかった。これからも機会をみつけて名作を
追っかけようと思う。

|

« 癒しのモーツァルト | トップページ | 喜多川歌麿 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 横山操の越路十景:

« 癒しのモーツァルト | トップページ | 喜多川歌麿 »