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2005.02.05

エゴン・シーレ

08昨日の世界美術館紀行にウィーンにあるレオポルト美術館が登場した。03年、ウィーンを訪れたときは時間がなくて残念ながらこの美術館には行けなかった。エゴン・シーレの絵を沢山所蔵してるので有名なところである。

日本にも、ここの名画が2、3回きている。8年前の97年、安田火災東郷青児美術館で開かれた“ウィーン世紀末展ークリムトの夢、シーレの愛”で観たレオポルト所蔵の作品は今でもよく
覚えている。この展覧会でシーレの画風についてのイメージが固まった。

その後、シーレの絵を日本でみることがなかったが、ベルヴェデーレ美術館で
久しぶりにお目にかかった。ここにもシーレの代表作がいくつもある。“家族”、
“自画像”、“抱擁”、“死と乙女”、“母と子供”などだが、これらは日本で見た。
で、新鮮味はないが、シーレが28歳の若さで亡くなった年に描かれた“家族”
が強く印象に残った。この絵のシーレの顔が他の作品にくらべ、暗さや退廃的
な匂いがなく、逆になぜか端正に描かれているからだ。妻、そして生まれて
くるであろう子供も綺麗で可愛い。

この絵についで心をうたれたのが右の“4本の樹”という風景画(1917年)。
はじめてみる絵。シーレの絵描きとしての才能の高さを感じさせる素晴らしい絵
である。沈みゆく太陽が夕暮れの空を赤くそめ、前景に平行に立ち並ぶ4本の
マロニエの樹が描かれている。エロティックで毒のある絵をかくシーレのイメー
ジがこの絵をみて変わった。こんな美しい絵も描けるのだと。これは大きな収穫。

ネーベハイ著の“クリムト”にはクリムトとシーレのおもしろいやりとりが出てくる。
クリムトは若いシーレ(28歳年下)の絵をみて“君が描いた人物の顔の表情は
どうだ!僕は君が羨ましい”と言ったという。また、後年、シーレは尊敬するクリム
トのデッサンが欲しくて、クリムトに作品の交換を懇請した。そして、クリムトの1点
に対して自分のは数点を差し上げましょうと言うと、クリムトは“何のために君は僕
とデッサンを交換しようと言うのか?君の方が僕なんかより遥かにいいデッサンを
するじゃないか。。。”と答えたらしい。クリムトとシーレは奇しくも1918年、同じ
年に亡くなっている。

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コメント

4本の樹、いい絵ですね。シーレにもこんな作品があったんですね。昨日は帰宅が遅くて世界美術館紀行を観そびれてしまいまして、うーん、後悔・・・再放送の録画しなくては!
クリムトとシーレのエピソードはとても有名ですが、そのおかげでクリムトもシーレも作品を見るたびにそれぞれのことを考えてしまうんですよ。

投稿: 桂田 | 2005.02.05 23:02

to 桂田さん
シーレの風景画はこれまで見たことなかったので、この4本の樹には
驚きました。クリムトの緑の多い風景画もグッドですが、この絵もいいです。
やはり、16歳の最年少でアカデミーに入るだけあって画才は抜群
なんでしょうね。正統的な絵も人並み以上に描けます。

次回、ウィーンに行くときはレオポルト美術館を訪れたいですね。

投稿: いづつや | 2005.02.06 00:24

シーレの「4本の樹」、随分前に買った「ラ・ミューズ5」に載っていました。シーレの絵はなんだか怖いような痛々しいような絵が多くて、あまり好きではなかったのですが、この絵はとても好きです。

投稿: リセ | 2005.02.06 10:36

to Lyceeさん
こんにちは。ラ・ミューズ、オーストリア美術館をお持ちでしたか。
私もこのシーズ全部揃えています。これは安くて良い美術館案内本ですね。
女性の読者を意識した編集、デザインは秀逸。オーストリア美術館も
ウィーンに持参しました。シーレの4本の樹はこの本で見て、いい絵だなと
思ってましたので、期待してました。実物は図録でみるより、ずっといいです。
大きな絵で、遠景の赤が印象的でした。

投稿: いづつや | 2005.02.06 15:01

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