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2005.02.24

ルオー版画展

19出光美術館とともにルオー作品を沢山所蔵してる松下電工ミュージアムで今、“ルオー版画展”を行なっている。会期は2/27まで。この企業美術館には汐留再開発で高層ビルの一角にオープンしたとき一度訪問した。

ルオーは版画集をいくつか制作しており、そのなかから多色刷り版画の“流れる星のサーカス”、“受難”、モノクロ版画と色彩版画の“悪の華”が展示されている。そして、常設展示コーナーには
油彩の名品も数点飾ってある。ルオーといえばキリストを題材にした宗教画家、
サーカスの役者、とりわけ道化師を描く画家というイメージが強い。

色彩版画の場合、色調は油彩にくらべてそれほど強くはなく、黒く太い輪郭線が色と
うまくとけあっている。とくに気に入ったのが右の2枚。曲芸師とバレリーナの動作の
ひとコマをうまくとらえている。
白黒版画の悪の華をみてると、この画家が人間の弱さ、孤独感といったことに
真正面から向き合っていたのがわかる。色が無い分、重たい感情が
ストレートに伝わってくる。

ルオーの絵は出光美術館でよく観た。油彩の“受難”の連作や版画“ミセレーレ”など
約400点があるという。フランス以外では一級のコレクション。これに松下電工の
作品が加わったので、ルオーの絵をみる機会がぐっと増えた。黒の輪郭線をつかい、
絵の具が異様に盛り上がった絵は一度観たら忘れられない。“聖顔”のように
師モローの出現を連想させる激しい作品もあれば、ポンピドーの“ベロニカ”のように
美しい聖女もある。ルオーの絵は時間をかけてみたほうがいい。
じっとみてるとこの孤独な画家の深い人間性に近づけるような気がするからだ。

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