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2005.02.23

尾形光琳の竹梅図屏風

294東京国立博物館の平常展を定期的に見るのが習慣になってきた。企画展に較べどこの美術館でも平常展の集客力は弱い。だが、ここ東博や東近美では平常展に出品される作品は一級品。

なにせ所蔵品の数が多いので、平常展でも少しずつしか出てこないが、毎回足を運ぶ度に感動がある。日本画の名作を見るならこの平常展が一番いい。

今、右にある尾形光琳の“竹梅図屏風”(重文)が本館2Fの特別1室で展示され
ている。これまでタイミングがあわず見逃していたが、やっとお目にかかる
ことが出来た。意外と小さい2曲1隻の屏風である。金箔地の上に墨で
竹と梅が描かれている。2本の竹の間に梅がぼんと割り込んだような構図が
おもしろい。

上にある竹の葉は一部外にはみ出している。さらっとこんなトリミングを
するのが光琳の卓越したデザインセンス。梅のほうは簡略的にシャシャと描い
てる感じ。そして、花びらを一枚一枚描かずにまとめて輪郭線で描いている。
これは光琳梅と呼ばれ、光琳模様の一つとして着物、紋章、漆器などに
広く取り入れられた。

この絵は光琳の晩年の作品である。装飾性の高い光琳のほかの絵と比べると、
この金箔地と墨の濃淡で描いた竹と梅の組み合わせは物足りないかも
しれない。でも、ほの暗い日本家屋の座敷でこの屏風をみると竹と梅のシルエット
がすごく映えて見えると専門家は言う。屏風をそんな環境で見たこと無い
のでイメージしにくいが、たしかにそんな感じもする。

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コメント

いづつやさん、いつも貴重な情報をありがとうございます!
私もぜひこの尾形光琳「竹梅図屏風」を見たいと思います。
MOA美術館の屏風とはまた違う風情がありそうですね♪

投稿: June | 2005.02.24 23:47

to Juneさん
光琳の“竹梅図屏風”の展示は2/27(日)までです。このコーナーには
広重、春信の梅にちなんだ浮世絵もでてます。2/15から展示替になった
日本画は名品がかなりあります。久隅守景、狩野元信、狩野山楽など。

また、近代日本画では、下村観山の弱法師(よろぼし)がでてます。
この絵は観山の代表作(重文)です。前から追っかけていたのですが、
ようやく観れました。図録で見るより、実物はずっといいです。感動しました。
それとアルカンシェール財団所蔵の“縄暖簾図屏風”(重文)が出てたの
には驚きました。この絵は風俗画の代表作の一つです。ご参考までに。

投稿: いづつや | 2005.02.25 19:34

いづつやさん、東博の平常展を観てまいりました!
光琳の“竹梅図屏風"は金地に墨一色ですが、竹の濃淡による遠近構図と低めに描かれた梅のバランスが面白いと思いました。光琳独特の丸い梅花、私はこれをもっとまろやかに描いた中村芳中の梅もなかなか好きです。

で、下村観山の“弱法師”も“縄暖簾図屏風”も良かったです!“弱法師”の梅の枝花の連なりと左の朱の日輪が効いていましたね。“縄暖簾図屏風”は女性の衣装模様もお洒落で素敵でした。本当に目が喜んだ作品でした。いづつやさんに感謝です!

投稿: June | 2005.02.28 01:10

to Juneさん
島尾新さんが著書“すぐわかる水墨画の見かた”(東京美術、05年2月)
で、光琳の水墨画の線はプロの技で、白隠は光琳までは達してないと
解説してます。この“竹梅図屏風”でもシャープな線でさっさと描いてますね。
もうひとつやふたつ赤などの色が欲しいところですが、ここは華美に
せず、墨の濃淡で描いた竹と梅を金地に映えさせようというのが光琳の
狙いでしょう。光琳の色使いやデザインの感覚はやはり抜群ですね。

観山の“弱法師”や“縄暖簾図屏風”の良さをJuneさんと共有できて嬉しいです。

投稿: いづつや | 2005.02.28 14:34

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