サイモン・ラトルのダフニスとクロエ
最近はサイモン・ラトルが指揮するベルリンフィルの演奏をよく聴く。
そのなかで、ビデオをまわす回数が一番多いのが03年の
ジルベスターで演奏されたラヴェル作曲のバレエ組曲“ダフニスとクロエ”
第二組曲。出だしの“夜明け”を目をつぶって聴くと気分がほわーんとなる。
ドイツ人にこんな曲はつくれない。フランス生まれの作曲家らしいラヴェルの
傑作である。
フランスのオーケストラは当然ながらドビッシーやラヴェルの曲は得意。
フルートやオーボエなど管楽器のパートが多いため、伝統的にパリ
管弦楽団などはこうした楽器の名手を多く輩出してきた。今、ベルリンフィル
にいるフルートのエマニュエルもフランス人。この人が今、フルート演奏家の
トップではないかと思う。ベルリンフィルのメンバーもレベルが高いので、
ラトルの指揮するダフニスとクロエはフランス人も参ったといわせる位の名演奏。
このバレエ組曲はローマ人のロンゴスが3世紀末ごろ書いたギリシャ小説、
“ダフニスとクロエ”を下敷きにしてつくられた。捨て子の羊飼いの若者
ダフニスと美しいクロエの恋物語。ラヴェルはこの名曲により楽壇における
地位を確立した。
これ以外のラヴェルの曲で気に入っているのは
★逝ける王女のためにパヴァーヌ
★組曲“クープランの墓”
★夜のガスパール
★舞曲“ボレロ”
現在、N響の音楽監督であるアシュケナージが若い頃に弾いたピアノ曲
“逝ける王女のためのパヴァーヌ”を静かな夜に聴くともう最高。
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コメント
ラトル、最近評判をよく聴きますが、私はまだ聴いてません・・・ラヴェルは結構好きなのでいづつやさんおすすめのラトル版「ダフニスとクローエ」、聴いてみます!
「ボレロ」や「亡き王女のためのパヴァーヌ」は定番ですが、私は「クープランの墓」と「スペイン狂詩曲」、「水の戯れ」あたりがとても好きです。あと、小品でも名作が結構ありますよね。「ラ・ヴァルス」とか「ドビュッシーの墓」とか、オーケストレーションの魔術師の異名のとおりの絶妙のアレンジだと思います。録音だとラヴェルの鮮やかな音色が一番感じられるのはロリン・マゼールの指揮だと思っているのですが(すみません、完全に個人的な好みです・・・)、いづつやさんはどう思われますか? 実は、あまり同意してくれる人がまわりにいないんですよ・・・。
投稿: 桂田 | 2005.02.05 23:18
to 桂田さん
フランスのラヴェルとかドビッシーの曲は音に色があっていいですね。
モーツァルト、ベートーベンもよく聴きますが、ちょっとリラックス
したいときはフランスの作曲家の音楽を無性に聴きたくなります。
クープランの墓はいい曲ですね。フルート、オーボエの音色が気持ちいいです。
私はCDは聴かず、もっぱら収録ビデオを楽しむだけなのでマゼールが
指揮するラヴェルは残念ながら知りません。マゼールは確かフランス生まれ
のアメリカ人ですよね。ですから、フランスの香りは充分だせるひとだと思いますが。
クライバー亡き後、マゼール、アバド、ハイティングあたりが世界の音楽界
を引っ張っていく大物指揮者でしょうね。これにすごい勢いで迫って
いるのがサイモン・ラトルではないかと見ています。
この指揮者に今、一番注目してます。
投稿: いづつや | 2005.02.06 01:04